Zapier MCPは、外部ツールとの連携をより簡単にするためのツールです。
Difyで構築したAIアプリから、ZapierだけでGoogleスプレッドシートといった、外部サービスとの連携ができます。
本記事では、「DifyとZapier MCPの連携でできることや活用例」「連携手順」「よくあるエラーとその対処法」まで、初心者の方でも実践できるよう解説します。
さまざまなサービスと連携して業務を効率化し、重要な業務に集中したい方はぜひ最後までご覧ください。

Difyとは?
Dify(ディファイ)は、ChatGPTのような大規模言語モデルを活用したAIアプリを、ノーコードで簡単に作れるプラットフォームです。

「社内業務を効率化したい」「AIを活用したいけど技術的な知識がない」といった方でも、直感的な操作でAIアプリを開発できます。
- ノーコードでAIアプリを作成可能
- ChatGPTやAnthropic、Azureなど主要なLLMのモデルに対応
- 自社データを活用したRAG(検索拡張生成)に対応
- GoogleスプレッドシートやNotionなど外部ツールとの連携も簡単
- アプリの公開・共有がスムーズ
Difyを使えば、「作業が自動化されて効率化」「社内マニュアルをベースにしたAIアプリで社員の質問対応が激減」といったことが可能です。



「単なるツール連携」ではなく「時間と成果を最大化する仕組み」を構築できます。
Zapierとは?
Zapierとは、6,000以上のクラウドサービスをコードなしでつなぎ、業務プロセスをまるごと自動化できるノーコードプラットフォームです。



操作は「トリガー(きっかけ)+アクション(実行)」を選ぶだけです。複数ステップや条件分岐もドラッグ&ドロップで組めるため、エンジニアでなくても高度なワークフローを構築できます。
- ノーコードのドラッグ&ドロップUI
プログラミング不要でワークフローを直感的に組めるため、開発コストと設定時間を大幅に削減。 - 6,000以上のクラウドサービスと連携可能
GoogleスプレッドシートやSlackなどをワンクリックでつなぎ、転記やアップロード作業をゼロに。 - マルチステップ&条件分岐フロー
「もし◯◯なら」の複雑なロジックも自動処理でき、ヒューマンエラー防止と業務品質向上を同時に実現。 - リアルタイムトリガー&定期スケジューリング
新規注文の即時通知から定時レポート配信まで自動化し、チャンスの取りこぼし防止と意思決定スピードを加速。
DifyとZapierの連携でできること
DifyとZapierを連携すると、ノーコードでDifyアプリと外部サービス(Googleスプレッドシート、Slack、Notionなど)をつなぎ、業務をまるごと自動化できます。



AI Actionsを組み込むことで、ユーザー指示に応じた動的アクションまで自動化が可能です。
以下、代表的な活用事例を5つご紹介します。
1.カスタマーサポートの自動化
Difyで構築したAIチャットボットとZapierを連携すれば、問い合わせ対応の自動化が可能です。
例えば、AIアプリで受け取った問い合わせをGoogleスプレッドシートに保存し、緊急性の高い質問だけをSlackに通知する、といったワークフローが簡単に組めます。



これにより、即レス対応が求められる案件にも迅速に対応でき、サポート業務の生産性が向上します。
さらに、AI Actionsを活用すると、チャット内でのユーザー発言内容に応じて、さらに動的なサポートオペレーションが可能です。
- ユーザーが「至急対応してほしい」と言ったら、緊急対応希望とメモを残す
- 「担当者に直接伝えて」と指示があれば、担当者のSlack DMに直接通知
2.メール処理とフォローアップの自動化
AIアプリが取得した顧客情報をもとに、ZapierでGmailやOutlookから自動返信メールを送信できます。
また、優先順位の高い顧客といった特定条件に該当する問い合わせだけを、チームに通知する設定も可能です。



Zapierの「パス機能(条件分岐)」を使えば、問い合わせ内容ごとに異なる対応パターンを自動で振り分けることができます。
AI Actionsで、会話に応じた対応が可能です。
- 「今すぐ資料がほしい」と希望があれば、すぐにメールで資料送付
- 「問い合わせ内容を営業担当に伝えて」と依頼があれば、CRMにも自動登録+担当者に通知
3.社内データベースの自動更新
Zapierで連携すれば、AIチャットボットアプリで収集した質疑応答を、NotionやGoogleドキュメントに自動記録ができます。



自動記録の機能で、「FAQページの即時更新」「よくある質問の自動収集」「社内マニュアルの自動拡充」などが可能です。
AI Actionsを組み込めば、どのデータベースに登録するかをAIが判断できるようになります。
- 質問内容に応じて、顧客向けFAQか、社内用マニュアルかを自動振り分けで登録
- フィードバック内容を分析して、「改善提案」カテゴリに分類して保存



ただの情報掲載ではなく、情報の質に合わせたデータベース管理ができます。
4.カレンダー自動登録・スケジュール管理の自動化
AIアプリで取得した予定をGoogleカレンダーやOutlookカレンダーに自動登録、確認ができます。



例えば、AIアプリで入力された「○月○日○時に○○のミーティング」という情報をそのままカレンダー登録し、リマインダー通知の自動設定が可能です。
AI Actionsを使うと、チャット指示内容に応じたカレンダー操作が可能になります。
- 「来週火曜の午前中に打ち合わせ入れて」と言うと、AIが解釈して該当時間帯に予定登録
- 「この予定はリマインダーだけセットして、担当者にも共有して」と依頼すれば、リマインダー付きでカレンダー登録とチャット共有も可能
5. レポート作成・データ可視化の自動化
AIアプリで取得したデータをスプレッドシートに流し込むことで、レポート作成を自動化できます。



「毎日18時に、その日の問い合わせ件数をSlackとスプレッドシートに共有」などの自動配信も手間なしで可能です。
AI Actionsを組み込むと、レポート内容をリクエストに応じてカスタマイズできます。
- 「今日の売上だけまとめて送って」と、該当データだけを抽出
- 「直近1週間分だけグラフにして」と言えば、Looker Studioといったツールでグラフ化してリンク送信
DifyとZapierを連携する方法
DifyとZapierを連携する方法は、MCP(Model Context Protocol)です。
MCP(Model Context Protocol)とは、AIアプリと外部ツールを連携させるための新しい通信プロトコルになります。



簡単に言うと、AIが外部サービスに指示を送るための通信ルールです。
MCPを使うことで、AIアプリ上のAIが人間のように外部ツールを操作できるようになります。
ちなみに、外部ツールとDifyを接続する方法はおもに3つです。
連携方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Webhook | 一方向でデータを送信するシンプルな接続方法 | 設定が簡単。即時反映が可能 | 返答や動的な対応ができない。柔軟性がない |
API/SDK | 各ツールごとに個別のAPIを一つ一つ接続する方法 | 高度な制御・柔軟な操作が可能 | 実装が面倒。コード理解が必要で、保守も大変 |
MCP | 統一されたプロトコル上で複数ツールをまとめて連携できる | ノーコードで接続。1回設定すれば汎用的に使える | 対応していない古いツールとは接続できないことも |



MCPなら一度設定すれば複数ツールと一気につながるため、「個別設定不要」「ノーコード操作で拡張も簡単」「APIドキュメントを完全に理解しなくてもOK」といったメリットがあります。
Difyを使うなら「XServer VPS」がおすすめ
DifyとZapier MCPを連携して、業務自動化といったAIアプリ開発を進めるなら「XServer VPS」がおすすめです。
XServer VPSには以下のメリットがあります。
- アプリイメージ機能により、複雑な設定不要で簡単導入
- 説明書や問い合わせサポートが充実しており、初心者でも安心
- サーバーの容量を自由に変更でき、利用頻度に合わせた運用が可能
- 国内データセンター採用、24時間365日サポート、強固なセキュリティ機能
- DifyのAIアプリを独自ドメインで構築できる
また、料金は年間契約だと、月2000円以下と公式の1/4と安く使えます。
サービス名 | プラン名 | 月額料金 |
---|---|---|
エックスサーバーVPS | 4GBプラン | 1,800円/年(今ならキャッシュバックキャンペーンで900円に!) 2,200円/月 |
Dify公式サービス | PROFESSIONAL | $49(7,696円)/年 $59(9,266円)/月 |



リアルタイムにデータ通信を行うMCP連携では、通信の遅延がなく、安定して大量リクエストを処理できるサーバーが好まれます。特に初心者の方は導入も簡単でコスパの良いXserver VPSが最もおすすめです!
DifyとZapier MCPを連携するための手順
DifyとZapier MCPを連携するための具体的な手順を3つにわけてお伝えしていきます。
- Difyの導入
- Zapier MCPの設定
- DifyとZapier MCPの連携
Difyの導入準備





個人情報を入力し、電話番号認証をして、プラン選択まで進みます。






ドメインの取得
ここからはエックスサーバーでのドメイン(○○.jpや○○.com)取得方法をお伝えしていきます。



すでにドメインを持っている方は飛ばしてOKです。






住所の英語表記がわからない方は「住所 英語」で検索してください。
英語の住所に変換できるサイトがいくつか出てきます。


Difyを使うためのサーバー事前設定












- login:root
- パスワード:VPSを契約した時のパスワード
筆者も長時間悩みましたが、パスワードを打ち込むと文字列が出ないですが、実際は入力できています。
見えないですが、入力してエンターキーを押しましょう。





コマンドは「bash setup.sh ○○.com ○○@○○」になります。ドメインの両端に半角スペースが必要なので注意です。


ニュースの受け取り確認がでたら、必要であればY、不要ならNを押してください。
その後、自動で進み、以下の画面が出ればセットアップは完了です。





導入準備をより詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。


Zapier MCPの設定
次は、Zapier MCPの設定に入ります。
以下の公式サイトからZapier MCPをしていきましょう。







右上のサインアップをクリックして、任意のアカウントかメールアドレスで、アカウント作成を進めていきましょう。





次の画面で、Generate URLボタンをクリックして使用するURLを発行します。URLを発行すると「Copy URL」のボタンが出現するのでクリックして発行したURLをコピーしておいてください。





下記の「Configure the actions」からZapier MCPのアクションを生成していきます。





「Add a new action」をクリックします。





Action欄にツール名を入力して、アクションを追加したいツールを選択します。今回はGoogleカレンダーを選択します。





Googleやツールのアカウントでログイン(Connect)して、「Enable action」をクリックで設定完了です。





今回は、「Google Calendar: Find Event」を登録しましたが、「Google Calendar: Create Calendar」を登録すれば、カレンダーにイベントの登録ができます。
DifyでZapier MCPと連携する方法
ここからは実際にDifyとZapier MCPを連携していきましょう。



Difyにログインして、AIアプリを作成します。





LLMのブロックを削除して、「+」からエージェントのブロックを追加してください。





検索欄で「MCP」と入力し、「MCP Agent Strategy」をインストールしましょう。





インストールした「MCP Agent Strategy」を選ぶと、MCP FunctionCallingが出現するので、選択してください。







MODELは特に何でも良いです。今回は設定が容易なGeminiを使用しています。TOOLS LISTはCurrent Timeを設定しましょう。
Current Timeはいくつか種類がありますが、「Current Time」>「Current Time」選択でOKです。





「Current Time」は上記の設定で、タイムゾーンを東京に合わせておきましょう。





Instructionには「Userの指示に従い、適切なツールを選択してください。」と入力、Queryは「/sys.query」が入っていればOKです。





「左上のアイコンをクリック」>「環境変数を追加」をクリックし、コピーした「MCP Server URL」を値に貼り付けましょう。名前は「Zapier」といった分かりやすいものでOKです。
忘れずにエージェントのMCP Server URLに「追加した環境変数」を入れて置いてください。







解答欄の「LLM(x)text」がエラーになっているので、「エージェント(x)text」に変更しておきましょう。



まず、下記のようにスケジュールを入れました。





Difyのプレビューから、「今日の予定を全て教えて」と入れてみました。





上記のようにスケジュールを確認してくれました。「GASと連携してGoogleカレンダーの設定を見て」といった設定はなしで、Zapier MCPと連携するだけで作成できました。
もちろん、ほかのツールでも同じことが可能です。
よくあるエラーとその対処法
実際にZapier MCPと連携したAIアプリで、初心者がつまずきやすいエラーと対処法をお伝えしていきます。
なぜかうまく実行できない方は参考にしてください。
アプリの1機能は使えるのに他の機能を実行できない
例えば、Googleカレンダーだと、「予定の確認はできるのに予定の登録ができない」といった事象がありました。



Zapier MCPは1つのアプリの特定の機能が連携可能で、1つのアプリと連携したからといって、そのアプリの全ての機能と連携できたわけではありません。





上記のようにGoogleカレンダーだけでもトリガーは複数あるので、必要な機能は必要なだけ、追加しないといけません。
特定の機能を使った命令が上手く処理できない場合は、「MCP action」を見直しましょう。
Zapier MCP action実行時のエラー
MCPアクション実行時のエラーは、設定時のミスがほとんどです。
- 必須フィールド(例:タイトル、本文など)の未入力
- アプリ認証切れや権限エラー
まずは、全ての必須フィールドが正しく入力されているかチェックしてください。



それでも改善しない場合は、アカウント認証のやり直しをしてみましょう。
エージェントの回答が曖昧だったり、回答してくれない
エージェント部分でなんらかのエラーが出ている場合は、エージェントのボックスをチェックしましょう。



それぞれの項目で、抜けがないか確認してください。
エージェンティック戦略 → MCP FunctionCalling
MODEL → 任意のものでOK。エラーが出ていないかチェック
TOOLS LIST → Current Time
MCP Server URL → 環境変数に入力すると出てくる「変数名」を「/」で出る入力候補一番下から選択
Instruction → Userの指示に従い、適切なツールを選択してください。
Query → 「/」で出る入力候補一番上の「開始(x)sys.query」を選択



回答が曖昧になってしまったり、間違っている場合はモデルも上位に変えてみてください。
まとめ
Zapierとは、6,000以上のクラウドサービスをコードなしでつなぎ、業務プロセスをまるごと自動化できるノーコードプラットフォームです。
Zapierを使う最大のメリットは「各ツールとの連携が簡単かつアクションの指示ができること」です。



実際にアプリを開発して感じたのは、GASとの連携といった難しい設定がなく、各ツール共通の設定で連携できる点が素晴らしいですね。
初心者の方でも簡単にさまざまなツールと連携できるので、Difyのアプリ開発の敷居がさらに下がりました。
Xserver VPSと組み合わせれば、開発環境構築も楽々なのでぜひ、DifyでZapierを使ってみてください。