Midjourneyは、高クオリティでオシャレな画像を生成できると話題のAIです。
ただし、利用するまでのハードルが高く、諦めていた人も多くいました。しかし、新しくリリースされたWeb版Midjouneyが、誰でも手軽に利用できるとして話題になっています。
この記事では、Web版Midjouneyの特徴や、実際に生成した画像やプロンプトを紹介します。初心者でもすぐに画像を生成できるように、登録から生成までの流れも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
Web版 Midjourney(Midjourney Alpha)とは?
Web版Midjourneyとは、Googleの「Chrome」やMicrosoftの「Edge」などのブラウザで利用できる画像生成AIです。
そもそもMidjourneyとは、テキストから画像を生成できるAIであり、人間が描いた絵と遜色のないクオリティを持っています。
従来のMidjourneyは、チャットや音声通話ができるサービス「Discord」上でしか使用できませんでした。しかし、Web版Midjourneyはブラウザ上で手軽に利用できるため、より多くの人が利用することになるでしょう。
Discord版Midjouneyを利用したい人は、こちらの記事をご覧ください。
Web版 Midjourneyの料金体系
2024年9月の段階でWeb版Midjourneyは、有料プランに加入した場合のみ利用可能です。2024年8月26日までは無料でお試しできましたが、現時点では無料利用サービスは終了しているので注意してください。
各プランの詳細は、以下の通りです。
プラン | 料金 | 生成数の上限 | 高速生成 | 商用利用 | メンバーギャラリーの利用 | 高速同時生成 |
---|---|---|---|---|---|---|
ベーシックプラン | 月額10ドル | 200枚 | 200枚まで | 〇 | 〇 | 3枚まで |
スタンダードプラン | 月額30ドル | 無制限 | 15時間まで | 〇 | 〇 | 3枚まで |
プロプラン | 月額60ドル | 無制限 | 30時間まで | 〇 | 〇 | 12枚まで |
メガプラン | 月額120ドル | 無制限 | 60時間まで | 〇 | 〇 | 12枚まで |
上記の表の料金は、月額プランに加入した場合の料金です。年間プランに加入すると、それぞれの金額から20%割引きとなります。
お試しで使用する場合は、まずは月額のベーシックプランに加入しましょう。
Web版 Midjourneyの特徴3つ
Web版Midjouneyは、誰でも手軽に利用でき、画像の管理も簡単です。
ここでは、Web版Midjouneyの特徴を3つ紹介します。
1.誰でも手軽に利用できる
2.画像の管理が簡単
3.直感的にパラメーターの調整ができる
1.誰でも手軽に利用できる
これまでのMidjourneyは、Discord上で利用する方式のみだったので、インストールの手間がかかりました。インストールが面倒で、他の画像生成AIを利用する人も多くいました。
Web版Midjouneyは、ブラウザ上で利用できるため、インストール不要で、誰にでも手軽に利用可能です。
もっとも安いベーシックプランでは、月額10ドル(約1,500円)で利用できるため、多くの人の利用が見込まれています。
2.画像の管理が簡単
Web版Midjourneyで生成した画像は、視覚的に分かりやすいように表示されます。
Discord上で使用するとチャット履歴が流れてしまい、どこに画像があるか分からなくなります。
Web版は過去に生成した画像を、日付やバージョンで検索と管理が可能です。その他にも、フォルダへの保存や、他のユーザーの画像も探しやすくなっています。
他のユーザーの画像を参考にプロンプトを作成すれば、高クオリティな画像を作れるでしょう。
プロンプト表示例
3.直感的にパラメーターの調整ができる
Web版Midjourneyは、生成する画像の各種調整が簡単にできます。
AIを利用して画像を生成する際に難しいのは、プロンプトによる細かな調整です。
たとえば、以下の場合に、パラメーターを調整すると便利です。
- 芸術性を上げたい
- 奇抜さを出したい
- バラエティに富んだ画像を生成したい
画像の調整画面は、以下のようなパラメーター式になっていて、初めての人でも直感的に操作可能です。
Web版Midjouneyのプロンプトは、日本語ではなく英語で入力する必要があります。英語が苦手な人でも、パラメーターで調整をおこなえば、イメージに近い画像を生成できるでしょう。
Web版 Midjourneyの使い方
Web版Midjouneyを利用するには、まずアカウントを作成する必要があります。Midjouney公式ページの右側に表示されている「サインアップ」をクリックしてください。
アカウント作成は、「Discord」もしくは「Googleアカウント」を利用できます。
Web版Midjourneyは、有料プランでのみ利用可能です。
リリース当初は無料で25枚まで生成できましたが、現在は終了しています。
プロンプト入力欄をクリックすると、有料プランへの加入案内が表示されます。
有料プランの案内の「Join now」をクリックすると、4つのプランが表示されます。
明確な利用目的が決まっていない場合は、まずは「ベーシックプラン」に加入して試すのがおすすめです。
有料プランへの登録が完了したら、プロンプトを入力するだけで画像を生成できます。
プロンプトは画面上部の「What will you imagine?」と記載されている欄に入力して、エンターを押してください。
生成した画像は、画面左側の「Create」から確認できます。
Createをクリックすると、生成された画像が4枚表示されます。今回のプロンプトは、以下の通りです。
プロンプト
long straight hair girl,blown hair,v-neck sweater,A-line skirt,shy smile,cinematic light,standing,cafe
画像の左側には、プロンプトとともに、追加指示のできるボタンが表示されます。
- use tex:同じプロンプトを入力欄に転記する
- Return:同じプロンプトで画像を生成する
- Hide:Createに画像を表示しない
- More:画像のコピーやダウンロードなど
【応用】Web版 Midjourneyを使いこなそう
プロンプトを入力して画像生成ができたら、画像の調整方法を覚えましょう。
ここでは、Web版Midjouneyを使いこなすための、パラメーターの調整方法を解説します。
Image Size:スマートフォン向けのサイズに変えたい
「Image Size」では、生成する画像のアスペクト比の変更が可能です。
アスペクト比を「16:9」にするとスマートフォンの画面に収まるサイズになります。
16:9はテレビやパソコンモニターにも採用されているアスペクト比です。
その他にも「Portrait」は、人物の画像にぴったりな3:4になります。
試しに先ほど生成した画像を3:4に変更して、再生成してみましょう。
最初に生成した1:1の画像よりも、人物に焦点が当てられていて、無駄なスペースがなくなりました。
アスペクト比を変更すると、画像から受ける印象が大きく変わります。生成する画像に合わせて、アスペクト比を変更してください。
Aesthetics:プロンプト以上の画像を生成したい
「Aesthetics」は直訳すると、「美学」という意味です。
Aestheticsを調整すると、プロンプトでは表現しきれない独創的な調整ができます。
たとえば「Stylization」は、芸術性を追加可能です。
数値を上げるほど、芸術性が高くなります。
簡単なプロンプトで、Stylozationの数値だけ変更して比べてみましょう。
プロンプト
sea and mountain
上段の4画像:Stylozation1000
下段の4画像:Stylozation100(標準値)
Stylozationの高い上段の画像は、月による光の加減や構図など、芸術性が高くなっています。
下段の画像は、プロンプト通りに海と山を描いた印象です。
生成した画像のインパクトが足りない場合は、Stylozationの値を上げて再生成するといいでしょう。
続いては「Weirdness」ですが、奇抜さ加えるパラメーターです。
先ほどと同じプロンプトで、WeirdnessをMaxの3000にして生成してみましょう。
波の描写が細かくなったり、一般的な山の形ではなくなったり、「sea and mountain」でパッと想像される画像ではなくなりました。
「Variety」を高くすると、バラエティ豊かな画像が生成されます。
Varietyの値を、Maxの100にして画像を生成してみます。
絵画風や実写風・イラスト風など、バラエティ豊かな画像が生成されました。
プロンプトを考えるのに煮詰まった際は、Aestheticsの値を調整して、新たな発想を探してみましょう。
Model:プロンプト通りに画像を生成したい
Modelの中にある「Mode」を「Raw」にすると、プロンプトに忠実な画像を生成できます。
Midjourneyは簡単なプロンプトを入力するだけで、オシャレな画像を生成できると評判です。
しかし、上級者にとっては、そのオシャレさが邪魔になるケースもあります。
そのようなときは、ModeをRawにするとプロンプトに忠実な画像を生成可能です。
プロンプトの作成に慣れてくると、Modeはよく使うので覚えておきましょう。
「Version」は、Midjouneyのバージョンを変更できます。基本的にバージョンが新しい方が優秀なので、最新のものを使いましょう。2024年9月現在では、Version6.1が最新です。
Personalizeは、他の人の画像に「いいね!」した履歴を参考にして、あなた好みの画像を生成する機能です。
初期設定はオフになっているので、使用したい場合はオンに変更してください。
More Options:もっと早く画像を生成したい
「More Options」では、画像を生成する際のスピードを「Fast」か「Turbo」の2つから選べます。
基本設定はFastになっているため、より早く生成したい場合は、Turboを選択しましょう。
スタンダードプラン以上になると、「Relax」が追加されます。Relaxは、生成スピードは遅いですが、無制限に画像を生成可能です。
Web版 Midjourneyで画像生成してみた
ここでは、Web版Midjourneyを利用して、さまざまな画像を生成してみます。
イラスト風の子猫
Web版Midjourneyは、さまざまな画風で生成できます。
ここでは、イラスト風の画像を生成してみましょう。
プロンプト
little cute cat,illust
プロンプト通りに、可愛らしい子猫の画像が生成されました。目の大きさや、首をかしげるような仕草が可愛らしさを強調しています。
リアルな人物の画像
続いては、写真で撮影したかのような人物の画像を生成してみます。
プロンプト
Full body photo of an Japanese woman in a blue dress and shoes smiling, pointing to the side with one hand standing on a flat white background, wearing sandals
本当に写真で撮影したかのような、リアルな女性の画像が生成されました。
また、青いドレスやポージング・サンダルなども、プロンプトの指示通りとなっています。
アニメ風のハロウィン画像
最後に、アニメ風の画像も生成してみましょう。
プロンプト
A japanese animation of three skeletons dancing with pumpkins on their heads, stars and bats in the background, oversized t-shirt design, cute Halloween
お店のポップに使えそうな、アニメ風のハロウィン画像が完成しました。
「頭にカボチャを乗せる」という、難しそうなプロンプトも忠実に再現されています。
Web版 Midjourneyに関するよくある質問
Web版Midjourneyはリリースされて間もないため、利用者は多くの疑問を抱えています。
ここでは、Web版Midjouneyに関するよくある質問に回答します。
Web版 Midjourneyは無料?
Web版Midjourneyは、リリース当初は無料で利用できましたが、現在は有料プランのみとなっています。
もっとも安価なベーシックプランで、月額10ドルです。
日本円にすると1500円ほどです。
高クオリティなMidjouneyを1,500円で利用できると考えると、それほど高い金額ではないでしょう。
Web版 Midjourneyは商用利用可能?
Web版Midjouneyで生成した画像は、商用利用可能です。
ただし、無料プランで生成した画像は、商用利用が禁止されているので注意してください。有料プランで生成した画像のみ、商用利用が可能です。
Web版 Midjourneyのプロンプトは日本語でも良い?
2024年9月現在では、日本語のプロンプトに対応していません。
厳密には、日本語での生成も可能ですが、クオリティが大きく落ちてしまうという意味です。
試しに先ほどのハロウィン画像を、日本語で作成してみましょう。
プロンプト
頭にカボチャを乗せ、星とコウモリを背景に踊る 3 人の骸骨の日本のアニメーション、かわいいハロウィーン
日本のアニメ風という点は指示通りですが、ハロウィン要素が皆無になってしまいました。
これではイメージ通りの画像を生成できないため、プロンプトは英語で入力すると覚えておきましょう。
英語が苦手な人は、オンラインの翻訳サービスを利用するのがおすすめです。
Web版とDiscordどっちがいい?
初めてMidjouneyを利用する人には、Web版がおすすめです。
当初、Web版は機能が十分ではなく、とっつきにくい面がありました。しかし、現在はUIが改良され、機能も豊富です。初心者でも、すぐに操作に慣れるでしょう。
その他にも、画像の検索や管理がしやすいため、特別な理由がなければWeb版を利用するのがおすすめです。
まとめ
Web版Midjourneyは、ブラウザ上で利用できる画像生成AIです。
これまでMidjourneyは、Discord上でしか利用できませんでした。しかし、ブラウザで利用できるようになったため、多くの人が利用するサービスになるでしょう。
Web版Midjourneyには、画像の管理が簡単で、直感的にパラメーターを操作できるなどのメリットが多くあります。初心者でもすぐに操作に慣れて、高クオリティの画像を作れます。
有料プランに加入しないと利用できませんが、月額1,500円ほどと手を出しやすい価格設定です。
今回紹介した画像やプロンプトを参考にして、イメージ通りの画像を生成してください。