Googleが提供するAIツール「NotebookLM」は、自分の資料やWebサイトを読み込ませるだけで、要約や構成の提案まで行ってくれる、情報整理の強力なパートナーです。
そんなNotebookLMに搭載されている音声要約機能「Audio Overviews(オーディオ・オーバービューズ)」が、
2025年4月29日からついに日本語にも対応しました。
資料の要点をAIが音声で読み上げてくれるこの機能によって、移動中や作業中でも“耳で情報を取り入れる”という新しい情報収集スタイルが実現します。
本記事では、NotebookLMとAudio Overviewsの概要から、使い方や活用シーン、実際に使ってみた感想までを詳しく紹介します。
Googleの「NotebookLM」とは
NotebookLM(ノートブック・エルエム)は、Googleが提供するAI搭載のノート作成支援ツールです。
ユーザーがアップロードした資料やテキストをもとに、要約や質問への回答、構成案の提案などを行ってくれます。

特徴は、一般的な生成AIとは異なり、自分のドキュメントに基づいて返答してくれる点です!
たとえば会議資料や学習ノートなどを読み込ませれば、「ポイントをまとめて」「ここで重要なのは何?」といった問いにも、資料に即した形で答えてくれます。
Googleドライブとも連携しており、ドキュメントやスプレッドシートの取り込みも可能。
情報収集から整理・要約までを効率よく行いたい方に適したツールといえます。


音声要約Audio Overviewsが日本語対応開始
4月29日、NotebookLMの新機能「Audio Overviews」が、日本語を含む50以上の国と地域で利用可能になりました。
この機能は、NotebookLMにアップロードしたノートや資料をもとに、AIが自動で音声要約を作成し、ナレーション付きで内容を紹介してくれるもの。
いわば、AIが資料を読み込み、“ポッドキャスト風”に読み上げてくれるイメージです。



作業中や移動中などのシーンでも「ながらインプット」ができるというメリットがあります!
NotebookLMでAudio Overviewsを使う方法
続いては実際に、NotebookLMで「Audio Overviews」を実際に使う手順を見ていきましょう。
NotebookLMの始め方



まずは、NotebookLMの始めるまでの流れです。


NotebookLMのページにアクセスをしたら、「ノートブックを新規作成」を選択します。


次に、ノートに読み込ませたい「ソース」を追加します。



ここで言うソースとは、読み込んでほしい元データのこと。
Googleドキュメント・Webサイト・YouTube・テキストなど、複数の形式に対応しています。
今回はGoogle公式の、「Audio Overviews リリースページ」をアップロードしてみます。




アップロードが完了すると、そのデータに基づく「ノート」が自動生成されます。


ノートができたら、画面下部にある入力フィールドに、質問や指示を入力してみましょう。
今回は、「重要なポイントは?」と入力をしてみました。


NotebookLMが質問に対して、要点を箇条書きなどで分かりやすく返してくれます。
このノートは自動的に保存され、ドキュメントやスプレッドシートと同様、ほかのユーザーとの共有も可能です。



NotebookLMの基本的な使い方は以上です!
Audio Overviewsの使い方
続いては、NotebookLMの音声要約機能「Audio Overviews」の使い方です。



操作はとてもシンプルです。


NotebookLMのノート画面右側にある「Studio」セクション内に表示される「生成」ボタンを選択しましょう。


数分ほどで音声データの生成が完了。
再生ボタンを押すと、AIによるナレーション音声が再生されます。



Audio Overviewsの始め方についての説明は以上です!
NotebookLMでAudio Overviewsを実際に使ってみた感想
実際にNotebookLMのAudio Overviewsを使ってみたところ、その完成度に驚かされました。
ここでは、使ってみて感じた「良かった点」と「気になった点」を、リアルな感想としてまとめていきます。
まるでプロのポッドキャスト。音声のクオリティが高すぎる
まず驚いたのは、音声の自然さです。
NotebookLMが自動生成した音声は、男女の掛け合い形式で構成されており、そのテンポや抑揚、発音の精度が非常に高く、まるでプロのナレーターが収録したポッドキャストのような仕上がりになっていました。
一般的な音声合成にありがちな「棒読み」や不自然なイントネーションはほとんど感じられず、聞き手が内容に集中できるクオリティです。



初めて聴いたときは、「これ本当にAIが作ったの?」と思うほどでした。
音声の生成には少し時間がかかる
一方で、音声の生成にはやや時間がかかります。
体感としては数分程度で、資料の内容やボリュームにもよると思われますが、すぐに再生できるわけではないのが現状です。



ただし、これは今後のアップデートで改善されていく可能性も高く、現時点でも「事前に生成しておいて、あとで聴く」という使い方をすれば、そこまでストレスを感じることはありません。
AIの進化をリアルに実感できる体験
NotebookLMのAudio Overviewsを試して感じたのは、AIの進化スピードが想像以上に速いということです。
読み込んだテキストをただ要約するだけでなく、それをナレーションとして自然に再構成してくれる体験は、これまでのAIツールにはなかった衝撃がありました。



特に、長文の資料や「読むのがちょっと面倒…」と感じる文章でも、音声で要点だけを把握できることで、情報へのアクセスがより直感的になったと実感しています。
実際に生成した音声がこちら
以下は、NotebookLMに文章を読み込ませて生成した、Audio Overviewsの音声一例です。
そのまま再生して、AIによる音声要約のクオリティをぜひ体感してみてください。
こんな使い方が便利!NotebookLM×Audio Overviews
NotebookLMとAudio Overviewsを組み合わせることで、ただ資料を“読む”だけでは得られなかった、より柔軟で効率的な情報の扱い方が可能になります。
ここでは、実際の活用シーンをいくつか紹介しながら、その実用性を具体的に見ていきましょう。
会議資料や議事録を音声で要点チェック
NotebookLMに会議資料や議事録をアップロードすれば、Audio Overviewsがその内容を自動で音声要約してくれます。



これにより、通勤中や移動中などのすき間時間でも、要点のインプットが可能に。
たとえば、週次ミーティングの前に“聴いて復習”するだけでも、資料を一から読み込む手間が省け、会議内容への理解度が大きく変わってくるでしょう。
読みたいのに後回しにしていた記事や資料を「耳で消化」
ブックマークしたまま手つかずになっていた記事や、情報量の多いレポート資料も、Audio Overviewsを使えば音声で手軽に内容を把握できます。



移動中や作業中など、テキストを読む余裕がないシーンでも情報にアクセスできるのは、大きな強みといえるでしょう。
自分のブログやnoteに音声要約を載せる
Audio Overviewsで生成した音声データを、記事の冒頭に配置すれば、テキストを読むのが苦手な層にもリーチを広げることができます。
記事を開いた瞬間に音声が用意されていれば、「まずは聴いてみよう」と感じる読者も増え、離脱を防ぐ“入り口”として機能するでしょう。



結果として、記事全体のエンゲージメント向上にもつながるはずです。
NotebookLMとAudio Overviewsに関するよくある質問
それでは最後に、NotebookLMとAudio Overviewsに関するよくある質問と、それに対する回答を見ていきましょう。
無料で使える?有料版との違いは?
NotebookLMは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。
音声要約機能「Audio Overviews」も、1日3回までであれば追加費用なしで試すことが可能です。
一方で、より本格的に活用したい場合は、有料プランである「NotebookLM Plus」へのアップグレードも用意されています。
有料版
- ノートブックの作成数や音声要約の生成上限が約5倍に拡大
- ノートのスタイル・トーンのカスタマイズ機能
- ノートの共同編集・共有機能



有料版では、NotebookLMの機能がさらに充実します。
また、NotebookLM Plusは「Google One AI プレミアム プラン」に含まれており、2TBのストレージ容量やGemini Advancedの利用など、他のGoogleサービスと連携した特典もあわせて利用できます。
モバイルで使えますか?
NotebookLMはスマートフォンやタブレットのウェブブラウザからも利用可能ですが、現時点ではデスクトップ向けに最適化されており、一部機能(音声の生成や編集など)に制限がある場合があります。
また、専用のAndroidアプリやiOSアプリは提供されていません(2025年5月時点)。
今後、モバイルへの正式対応やアプリのリリースが期待されています。
他の音声要約ツールとの違いは?
NotebookLMのAudio Overviewsは、単なるテキスト読み上げとは一線を画しています。
大きな違いは、自分がアップロードしたノートや資料をAIが理解・要約したうえで、その要点を“語りかけるような形式”で音声化してくれる点にあります。
生成される音声も特徴的で、男女のナレーターによる自然な掛け合いで構成されており、ポッドキャスト番組のような聞き心地の良さです。



ただ文章を読み上げるだけではなく、「まるで自分専用の情報番組を聴いている」ような感覚になるのは、NotebookLMならではの体験といえるでしょう。
音声の読み上げ速度や声の種類は選べる?
再生速度の変更には対応しており、1.5倍・2倍・0.5倍など、好みに応じたスピードでの再生が可能です。
一方で、声の種類そのもの(ナレーターの性別や声質)を自由に選ぶことはできません。
ただし、音声の生成前に「カスタマイズ」設定から話し方の雰囲気や口調のスタイルを指定することは可能です。



実際に、「関西弁で話してください」と指定した音声データが以下になります。
とはいえ、ところどころ表現に違和感があったり、不自然な言い回しが混じることもあり、完全に自然な会話にはまだ届かない印象です。
それでも、他にも試してみるとさまざまなスタイルに対応しており、今後の進化や応用の広がりにも期待できる機能だと感じました。
音声要約がうまく動作しない場合はどうすればいい?
まずは、アップロードした資料のフォーマットが対応している形式かどうか(例:Googleドキュメント、Webページ、テキストなど)を確認しましょう。



PDFや特殊な文字コードが含まれるファイルでは、正常に処理されない場合があります。
また、NotebookLMの「Studio」セクション内で、Audio Overviewsの機能が有効になっているかもチェックしましょう。ブラウザの再読み込みやログインし直しで改善されることもあります。
それでも解決しない場合は、Googleサポートページやヘルプフォーラムの確認をおすすめします。
まとめ
NotebookLMとAudio Overviewsを使えば、テキストを読む余裕がないときでも、音声で手軽に情報へアクセスできます。
通勤中に資料の要点を耳でチェックしたり、後回しにしていた記事を“ながら聴き”で消化したり。日常のちょっとしたスキマ時間を、無理なくインプットに変えられるのがこのツールの強みです。
さらに、音声を記事に添えることで、これまでリーチできなかった層にも情報を届けられる可能性が広がります。
今後のアップデートにも期待しつつ、まずは手元の資料を使って、NotebookLM×Audio Overviewsの便利さを体験してみてはいかがでしょうか?