情報があふれる現代、複数の資料を効率よく整理し、必要な知識だけを素早く取り出したい——そんなニーズに応えるのが、Googleの「NotebookLM」アプリです。
AIがPDFやWebサイトなどを読み取り、要点を自動で要約・分析してくれるこのツールは、まさに“自分専用のAIリサーチアシスタント”。
2025年5月にモバイルアプリ版も登場し、外出先でも直感的なチャット操作や音声要約が可能になりました。
この記事では、NotebookLMアプリの主な機能や料金体系、具体的な活用シーンまで、ビジネスや学習に役立つ最新の使い方を詳しく解説します。
Google「NotebookLM」アプリ版とは?
Google NotebookLMは、PDF、Webサイト、YouTube動画、テキストなど様々な形式の資料をアップロードすると、AIがその内容を理解して要約や分析を行ってくれる「AIノートブック」サービスです。
ウェブ版は2024年より提供されていましたが、2025年5月に待望のモバイルアプリがリリースされました。
引用付きの回答で情報の出典を確認できるほか、アップロードしたコンテンツの要約文書やポッドキャスト風の音声要約を生成し、いつでも手軽に情報を整理・学習できます。

ユーザーが指定した資料に基づく要約を即座に得られるので、学術研究や資料整理に最適です。
Google「NotebookLM」アプリ版の主な5つの機能と特徴
NotebookLMアプリには、AIによる要約や対話だけでなく、ポッドキャスト風の音声要約など、多くの革新的な機能が備わっています。
ここでは、特に注目すべき5つの主な機能とその特徴について紹介します。
1. ノートブック作成と資料アップロード
NotebookLMでは、まず「ノートブック」を作成し、その中にPDFやウェブサイト、YouTube動画、テキストなどをまとめてアップロードして管理します。
複数の資料を一元的にまとめておくことで、後の要約や分析はすべてNotebookLMに任せられます。



資料をワンタップで追加できて、情報をまとめて管理・整理できるのが便利です!
2. AIによる内容理解・要約と回答
NotebookLMは、アップロードされた資料のテキストや音声を解析し、要点を抽出したり相互に関連付けて理解します。
ユーザーはチャットから、例えば「この資料を要約して」「重要なポイントを教えて」と自然言語で指示を投げるだけで、回答が得られます。
回答にはどの資料のどの部分を参照したかが出典付きで示されるため、根拠を確認しやすく信頼性が高いのも特徴です。



普段の会話のような指示で、AIが代わりに情報を整理してくれます!
3. コンテンツ自動生成と音声概要
NotebookLMは、要約結果をベースに様々な形式のコンテンツを自動生成できます。
FAQ形式やブリーフィング文書、タイムライン、マインドマップなど、用途に合わせて情報を再構成してくれるので、資料のポイントを短時間で把握できます。
さらに「音声要約(Audio Overviews)」機能を使えば、資料内容をポッドキャスト風の対話形式で読み上げてくれます。



音声要約はオフラインでも再生できるため、移動中などの隙間時間にも情報のインプットが可能になります!


4. ほかのGoogleサービスとの連携
Google DriveやYouTubeとも連携しており、既存のドキュメントや動画を読み込んで要約・分析できるのも魅力です。
Googleサービスを普段から使っている方には特に便利な仕組みになっています。



Googleサービスとの連携で普段使いのアカウントから手軽に情報を集められる点が便利です!
5. インタラクティブモード
ポッドキャスト風の音声概要を再生中に「join(参加)」ボタンを押すと、ユーザーが自分の声で割り込んで質問し、AI音声がその場で回答してくれるインタラクティブな対話を楽しめます。
まるでパーソナライズされたチューター(指導者)と会話しているかのように、追加の解説を求めたり、別の視点から説明をしてもらうことが可能です。
※この機能は現在、英語のみの対応となっていますが、今後の日本語対応も期待されます。



まるで自分専用のチューターと会話しながら学べる体験ができるのは面白いです!
Google「NotebookLM」アプリ版の料金体系
NotebookLMは、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できます。
一方で、チームでの共同作業、利用回数の上限を解放したい場合は、有料プラン「NotebookLM Plus」がおすすめです。
有料版
- ノートブックの作成数が約5倍に拡大
- 音声要約(Audio Overviews)の生成数が約6倍に拡大
- ノートのスタイル・トーンのカスタマイズ機能
- ノートの共同編集・共有機能
NotebookLM Plusを利用するには、Google One AI プレミアム(月額2,900円〜)もしくはGoogle Workspace Business Standard(月額1,600円〜)への加入が必要となります。



まずは無料版で試し、すぐに上限に達するようになったら、有料プランに切り替えるのがよいでしょう!
Google「NotebookLM」アプリ版の導入・使い方
ここからは、Google NotebookLMアプリの使い方を見ていきましょう。
「ノート」と「音声要約(Audio Overviews)」に分けて解説します。
ノートの使い方
まずは、ノートの作り方です。


インストールが完了したら「新規作成」を選択します。


続いて、「PDF」「ウェブサイト」「YouTube」「コピーしたテキスト」のいずれかからソースをアップロードします。


今回はウェブサイトを選択し、Googleの公式リリースページをアップロードしてみます。


すると、上記のようなノートが生成されました。


続いて、生成されたノートをどのように活用したいのか、具体的に指示を出しましょう。
今回は「大事なポイントを端的に教えて」と入力してみました。


その結果、記事の内容を端的にまとめた要約が生成されました。



ノートの基本的な使い方は以上です!
音声概要(Audio Overviews)の使い方
続いては、NotebookLMの音声要約機能「Audio Overviews」の使い方を見ていきましょう。
操作はとてもシンプルです。


画面右下にある「スタジオ」を選択してください。


「生成」を選択すると、数分ほどで音声データが生成されます。
実際の音声データ



音声概要(Audio Overviews)の基本的な使い方は以上です!
Google「NotebookLM」アプリ版の活用シーン4選
NotebookLMアプリは、研究や仕事、学習といった知的活動を支援する“AIノートパートナー”として、さまざまなシーンで活用できます。
ここでは、実際に役立つ代表的な4つの活用例を紹介します。
1. 学術研究や論文執筆の効率化
複数の研究論文や資料をまとめて読み込ませると、要点整理や先行研究の比較がスムーズに行えます。
参考文献が多い場合でも、自動要約やチャットでの質問機能を活用すれば、効率よく論文執筆を進められます。



本当に参考文献が数十件に及ぶ研究者や大学院生の執筆効率を飛躍的に高められますよ。
2. ビジネス資料の要約・分析
会議資料や業界レポート、提案書などをNotebookLMにアップロードしておけば、短時間で要点を掴めるまとめ資料を作成できます。
社内メンバーとノートブックを共有すれば、知識・情報をチームで蓄積しやすくなるというメリットも。



日常の業務に忙殺され、会議資料などをまとめておく時間をとれないビジネスマンにも最適です!
3. 会議資料や議事録を音声で要点チェック
NotebookLMに会議資料や議事録をアップロードし、Audio Overviews機能を使えば、その内容を自動で音声要約してくれます。
たとえば、週次ミーティングの前に「聴いて復習」するだけでも、資料を一から読み込む手間が省け、会議内容への理解度が大きく変わってくるでしょう。



通勤中や移動中などのすき間時間でも、要点のインプットが可能になります!
4. 英語文献の日本語要約で、学習のハードルを下げる
海外の文献や英語論文などもNotebookLMに読み込ませれば、日本語で要点をまとめてくれるため、言語の壁を越えて内容を素早く理解できます。
英語が苦手でも、効率よく学習を進められるのは大きなメリットです。



英語の論文も、日本語でポイントを整理してくれるのは本当に助かります!
Google「NotebookLM」アプリ版に関するよくある質問
それでは最後に、Google NotebookLMアプリに関するよくある質問と、それに対する回答を見ていきましょう。
- 日本語で利用できる?
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NotebookLMは日本語に対応しており、インターフェースもAIにおける出力も日本語です。
音声概要の読み上げも日本語に対応しています。
- 利用できるスマホのスペックは?
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iPhone/iPadはiOS17以上、Android端末はAndroid10以上が推奨です。
端末のストレージと通信環境に余裕があると、音声概要のダウンロードや再生も快適に行えます。
- セキュリティやプライバシーは大丈夫?
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アップロードした資料や会話データはGoogleのクラウド上で厳重に保護され、第三者のアクセスは制限されています。
ユーザーの個人データがAI学習に使われることはなく、企業向けにはアクセス制御や監査ログ機能も提供されています。
- オフラインで利用できる?
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NotebookLMはクラウドAIを利用するため、要約やチャット機能はネットワーク環境が必要です。
ただし、音声概要を事前にダウンロードすればオフラインで再生が可能です。
まとめ
NotebookLMアプリは、単なるAIチャットツールではなく、ユーザーがアップロードした資料を深く理解し、出典付きで要約・分析してくれるAIノートブックです。
学術研究から業務効率化、さらには語学資料の理解や音声学習まで、幅広い場面で活躍できる柔軟さと精度の高さが魅力です。
まずは無料プランで試して、自分の学び方・働き方にどんな変化が起きるかを体感してみてください。
きっと、これまで時間をかけていた情報整理の手間が、ぐっと軽く感じられるはずです。