ChatGPTを開発したOpenAIが提供する新たな機能「GPTs」では、用途や目的に合わせてカスタマイズしたGPTを誰でも簡単に作成して利用できるようになりました。
これまで「GPT-3.5」や「GPT-4」など特定のモデルのみが一般的に利用可能でしたが、最近のアップデートにより、多彩なニーズに応じてモデルを使い分けることが可能となり、より効果的で快適なAI体験が実現。
しかし、モデルごとの特徴や違い、得意分野を把握していないと、せっかくの新機能を活かしきれません。
本記事では、GPTsで選択可能なモデルの特徴を詳しく比較し、それぞれの得意な使い方を解説します。
また、あなた自身の目的や用途に最適なモデルを選ぶための具体的なポイントもご紹介しますので、モデル選びに迷っている方もぜひ参考にしてください。
GPTsでモデルが選べるようになった！
これまでのChatGPTでは、一般ユーザーが利用できるモデルは限られており、用途に応じて細かくモデルを選ぶことは難しい状況でした。
ぼーしかし、OpenAIの新しいプラットフォームである「GPTs」が登場したことで、ユーザー自身がAIモデルを自由に選択できるようになりました。
例えば、日常会話や接客用途には自然なやり取りに優れたモデル、プログラミングやコードレビューにはコーディングに特化したモデル、複雑な専門知識を必要とする業務には推論能力が特に優れたモデルを選択できるなど、多様なニーズに柔軟に対応可能です。
このアップデートにより、用途や目的にぴったり合ったAI活用が実現できるようになり、従来以上に効率的で高品質な結果が得られるようになっています。
一方で、多彩なモデルが登場したことにより、「自分が使いたい機能がどのモデルにあるのか」「モデルごとの違いや性能差がよく分からない」といった悩みや迷いも生じています。
ぼー次のセクションからは、GPTsで利用可能な全モデルの特徴や性能、得意分野を詳しく比較・解説しているので、目的や用途に合った最適なモデルを見つけてください。
GPTsで選べる全モデルを徹底比較
まずは、今回ご紹介する切り替え可能なモデルに関しての比較表を紹介します。
| モデル名 | 主な特徴 | マルチモーダル対応 | 使用できるプラン | 生成速度 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-4o | 汎用性・万能性が高く、バランスに優れた標準モデル。自然な会話能力が高い。 | 対応（画像＋テキスト） | 無料・有料（全プラン） | 標準的 |
| GPT-4.1 | コーディングやプログラミング業務に特化したモデル。高度で正確なコード生成が可能。 | 非対応（テキストのみ） | 有料プラン以上 | やや高速 |
| GPT-4.1 mini | 軽量化により高速かつ低コストな応答を実現したモデル。短文処理が得意。 | 非対応（テキストのみ） | 無料・有料（全プラン） | 非常に高速 |
| OpenAI o3 | 高度な推論能力を持つ最上位モデル。専門的で複雑なタスクに適している。 | 非対応（テキストのみ） | 有料プラン以上 | 標準的～やや低速 |
| OpenAI o4-mini | 推論能力と画像処理のバランスを取った軽量高速モデル。効率的な推論処理が可能。 | 対応（画像＋テキスト） | 無料・有料（全プラン） | 高速 |
| GPT-4.5 | 大規模で強力な文章生成性能を誇るPro限定モデル。SEO最適化やコンテンツ生成に特化。 | 非対応（テキストのみ） | 有料プラン以上 (研究プレビュー版) | やや低速 |
GPT-4o：万能型の標準モデル
GPT-4oは、多くのユーザーが日常的に使用することを想定した標準モデルです。
ぼー会話能力、文章生成、推論性能、画像処理まで幅広く対応できるオールラウンドな性能を備えています。
初心者にも分かりやすい使い勝手と安定した応答精度で、初めてGPTを導入する人にも最適です。
また、言語理解や会話体験に関する性能が高く、キャラクターAIやチャットボットなど、自然な対話を重視した用途にも優れています。
特に、文脈理解能力が優れており、長文でも一貫した回答が期待できます。
しかし、多様な機能を搭載しているため、より専門的な用途に特化した他モデルに比べると、特定分野での突出した性能はやや抑えられる傾向があります。
活用事例
- エンターテインメント向けキャラクターAIや会話型ゲームの制作
- 企業の一般的な顧客対応チャットボットの作成
- 語学学習や教育向けの会話型AIチューター
- パーソナルアシスタントなど日常的なコミュニケーション用途
- SNSやオンラインコミュニティの自動返信・ユーザー交流の促進
ぼー万能型モデルとして幅広く、安定して活躍するでしょう。
GPT-4.1：コーディング特化モデル
GPT-4.1は、特にプログラミングやコード生成に特化したモデルです。
複雑なコードの作成・修正・レビューに対応し、エラー修正やバグ検出など高度なサポートも実現します。
プログラマーや開発者にとって非常に実用的で効率的なパートナーとなるでしょう。
コードの記述言語としてはPython、JavaScript、C++など多言語に対応しており、具体的なコード例や解説も精度高く生成できます。
活用事例
- Web開発プロジェクトにおけるコードの自動生成・サポート
- ソフトウェアエラーやバグの迅速な発見・修正支援
- コードレビューの効率化および自動化（開発チーム向け）
- プログラミング学習支援ツールや学習教材の作成
- 複雑なAPI連携や技術的ドキュメント作成の自動化
ぼーGPT-4oと比較すると、会話など一般用途においての柔軟性は低めですが、コーディング用途において抜群の安定性と効率性を誇ります。
GPT-4.1 mini：高速軽量モデル
GPT-4.1 miniは、高速性と軽量さを特長とするモデルです。
素早いレスポンスと手軽な利用が可能で、大量の質問処理を必要とするFAQチャットボットやカスタマーサポート用途に向いています。
また、GPT-4.1 miniは最大100万トークンの長文コンテキストに対応しており、複雑な推論や詳細な長文処理にも十分対応可能です。
ただし、最も高度な推論や創造性が求められるタスクでは、標準のGPT-4.1モデルのほうが優れています。
活用事例
- オンラインショップやサービスサイトのFAQチャットボット
- ユーザーサポートにおける一次対応（よくある質問の迅速な処理）
- 大規模なカスタマーセンターにおける問い合わせの一次スクリーニング
- 音声認識アシスタントのテキスト生成部分としての活用
- SNSのリアルタイム対応やシンプルな自動応答ツール
ぼー比較的シンプルで短い質問応答や定型処理を安定してこなすのが得意です。運用コストを抑えたい企業にも適しています。
OpenAI o3：最強推論モデル
OpenAI o3は、複雑で高度な推論能力に特化した最上位モデルです。
大量の情報を処理し、詳細で複雑な課題を高精度で分析・解決する用途に最適です。
ぼーマニュアル読解やデータ分析、論理的な問題解決を得意とし、企業内の高度な専門知識を扱うサポート用途などに非常に有効です。
活用事例
- 医療・法律・金融など専門分野の複雑な文書解析
- 企業向け業務マニュアルや技術文書の高度な読解・質問回答支援
- データ分析や研究調査での複雑なデータを元にした推論・考察サポート
- 社内のナレッジベースから正確かつ詳細な情報を抽出するAIアシスタント
- 複雑な課題解決や戦略策定のための情報分析サポート
ぼー高度な計算リソースを消費するため、運用コストがやや高くなる傾向があります。
OpenAI o4-mini：効率重視の推論モデル
OpenAI o4-miniはo3の推論能力を維持しつつ、軽量化・効率化されたモデルです。
画像を活用した店舗案内、商品説明、簡易な接客用途に最適です。
活用事例
- 店舗における画像付きの商品案内や接客チャットボット
- 飲食店におけるメニュー紹介や注文支援のAIチャットツール
- 不動産・旅行業界での物件画像や施設画像を利用した案内サービス
- ECサイトの商品情報提供やおすすめ商品の画像つき提案
- 視覚情報が必要な日常的な推論用途（例えば、イベント会場内マップの案内）
ぼーレスポンスが高速で扱いやすいため、日常的な推論業務に幅広く対応できます。
GPT-4.5：有料プラン限定の大規模モデル
GPT-4.5は、有料プラン限定で提供されるハイエンドモデルです。
特にSEOに最適な記事作成やニュース記事の要約に優れており、高品質で詳細な長文作成が得意です。
活用事例
- ブログやオウンドメディア向けSEO記事の作成支援
- ニュース記事や業界レポートの長文要約およびレポート生成
- マーケティング担当者向けのコンテンツ戦略立案や記事構築支援
- 詳細で質の高い商品レビューや解説コンテンツの作成
- 専門的で品質の高い長文コンテンツ（ホワイトペーパー、調査報告書等）の生成
ぼーより高性能な文章生成を望むプロユーザーに適しています。
GPTsでのモデル選択方法と使い方
GPTsで使うモデルの選び方や使い方について、初心者の方にもわかりやすくご紹介します。
GPTs作成時にモデルを選ぶ方法
GPT作成時、設定画面から目的に合ったモデルを選択できます。
GPTを使用するユーザーへ推奨モデルを設定するか、ユーザーにモデルを選択してもらう方法の2つがあります。
使用中のGPTでモデルを切り替える手順
作成後もGPTの設定メニューを開き、「モデル」セクションから、任意のモデルに切り替えることができます。
用途別！おすすめモデルとGPTs作成例
用途ごとに最適なモデルと、その活用例をご紹介します。
会話体験重視のキャラクターGPTsを作るなら：GPT-4o
会話体験において自然さや文脈理解の高さが求められる場合は、GPT-4oが最適です。
GPT-4oは、優れた自然言語処理能力を備えており、人間とのやりとりにおいて非常にリアルで親しみやすい応答を生成できます。
たとえば、以下のようなGPTsの作成に適しています。
- バーチャルキャラクターとの交流を目的としたエンタメ系GPTs
- 会話型インターフェースを備えた教育用AI
- 相談や雑談を中心としたカウンセラー風GPTs
GPT-4oは、ユーザーの過去の発言や文脈を広く記憶し、対話の中で適切に活用できます。そのため、親しみやすく自然な会話を続けられるキャラクターAIの演出に大きく貢献します。
ぼーまた、感情表現や話し言葉の多様性にも優れており、ユーザーが繰り返し使いたくなるような魅力的な体験を提供できます。
Web開発アシスタントやコードレビュー用GPTsなら：GPT-4.1
コード生成やバグ修正、コードレビュー用途にはGPT-4.1がベストです。
プログラムの精度が高く、Python、JavaScript、Java、C++など多様な言語のサポートを迅速に行えます。
ぼー開発現場での効率化、特に初心者エンジニアの教育やレビュー業務を自動化するのに適しており、実務の生産性向上に役立ちます。
毎日の質問対応やFAQボットを作るなら：GPT-4.1 mini
日常的で頻繁に発生する質問応答を素早く行うには、GPT-4.1 miniが有効です。
カスタマーサポートや社内FAQ用途において多数のユーザーが同時にアクセスしても安定して高速な回答を返します。
GPT-4.1 miniはレスポンス速度に優れ、シンプルで明快な回答を短時間で処理する能力があり、大量アクセス時の処理効率も良いため、サーバーコストや負担の軽減にもつながるでしょう。
企業や店舗のホームページに組み込み、一般的な質問への対応をAI化することで、人件費を抑えつつユーザー満足度向上を実現できます。
ぼー複雑な問い合わせ対応にはやや性能が落ちますが、日常的な質問処理にはコストパフォーマンスが高くおすすめです。
複雑なマニュアル読解・高度なサポート用途なら：OpenAI o3
専門性が高く、詳細で複雑な内容を正確に把握し回答する用途では、OpenAI o3が適しています。
例えば製品マニュアルや技術文書の解説、専門的な医療・法律分野など、高度な理解力と精密な回答が求められる用途に有効です。
o3は論理推論力に特化しており、大量のテキストやデータを深く正確に解析し、適切な結論や推奨事項を導き出します。
ぼー企業内の複雑な課題解決に対応できるため、高付加価値のサービスを提供する企業や専門性の高い業務において極めて有効です。
画像も含めた接客ボットや店舗案内なら：o4-mini
視覚情報を利用した簡易接客や店舗案内ボットを作成するなら、OpenAI o4-miniが最適です。
o4-miniは画像処理能力と推論能力をバランス良く備えており、商品の写真を使った紹介や店舗内マップと連動した案内などを迅速に実行できます。
また、高速で効率的な動作が特徴であり、画像を多用するチャットボットでもユーザーを待たせることなく快適に対応できます。
ぼー例えば、小売店で商品の位置や在庫を画像付きで教える用途、飲食店のメニュー紹介や座席案内用途などで活躍します。
ニュース要約やSEO記事作成に使うなら：GPT-4.5
GPT-4.5は大規模で長文の処理に特化したProユーザー向けモデルです。
高品質な文章生成能力を有し、特にSEOを意識したキーワード最適化やニュースの長文要約、ブログやコンテンツマーケティング記事作成において強力な効果を発揮します。
ぼー細部まで精密で明確な文章作成が可能なため、ライターやマーケティング担当者に最適です。
GPTsのモデル選択に関するよくある質問
ここでは、GPTsのモデル選択に関する、よくある質問についてお答えします。
無料プランでもモデル選択できる？
一部のモデルについては無料プランでも選択が可能です。
たとえば、GPT-4.1 miniやo4-miniといった軽量モデルは、無料ユーザーでも利用できます。
一方で、GPT-4.5などの高性能モデルは、PlusプランやProプランなどの有料プラン限定となっています。
無料プランでも基本的な会話や簡易的なタスクには十分対応可能ですが、より高精度な応答や複雑な処理を求める場合は、有料プランへのアップグレードが必要になるケースがあります。
モデルによって価格は変わる？
Assistants APIを使用して独自に作成する場合は、モデルごとに価格が異なります。
一般的に、高度な処理能力や精密な推論性能を備えたモデルほど利用料金が高く設定されています。
例えばOpenAI o3やGPT-4.5といった大規模で高度なモデルは、軽量モデルより料金が高めなので、予算や使用頻度を考え、自分の用途に最適なコストバランスのモデルを選択することが重要です。
ぼーただし、GPTsを使用するだけの場合は料金は必要なく、無料ユーザーも利用可能です。
今後追加される予定のモデルは？
OpenAIは常に新しいモデル開発を進めています。
将来的には特定分野（医療・金融など）に特化した専門モデルや、よりコストパフォーマンスを高めた軽量モデル、画像や動画などマルチモーダル対応を強化したモデルが追加される予定です。
最新情報は公式サイトやニュースレターを定期的に確認することを推奨します。
まとめ
GPTsでは複数のモデルが選べるようになり、目的や状況に応じた柔軟なAI活用が可能になりました。
モデルを選ぶ際は、用途・処理速度・コストといった観点を踏まえ、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
ぼーぜひ本記事を参考にしながら、最適なモデルを選び、効率的で快適なGPT活用をスタートさせてみてください。
