AI技術が日々進化する中、OpenAIの最新モデル「GPT-4o」が登場しました。
この新しいモデルは、前世代のGPT-3.5やGPT-4を大幅に上回る性能を持ち、より精度の高い文章生成、音声認識、画像生成など、多岐にわたる機能を提供します。
特に、日本語での利用を考えているユーザーにとって、非常に魅力的なアップデートと性能を誇っています!
本記事ではその辺りにも触れつつ、GPT-4oの概要、料金体系、具体的な使い方、そして特徴について詳しく解説します。
無料で始められる方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
OpenAIの最新モデル「GPT-4o」とは
OpenAIが開発したGPT-4oは、前モデルであるGPT-3.5をさらに進化させた高度な言語理解モデルです。
この新しいモデルは、より広範なデータセットと高度なアルゴリズムを用いて訓練されており、その結果、自然言語処理(NLP)の能力が飛躍的に向上しています。
GPT-4oは、文章生成、要約、翻訳など、多岐にわたるタスクでその高い性能を発揮することが期待されています。
その精度と多様性により、ビジネスから学術まで、さまざまな分野での利用が可能です。
特に、GPT-4oはユーザーのニーズに応じたきめ細かい応答を生成できるため、より自然で人間らしいコミュニケーションを実現します。
下図のピンク色バーがGPT-4oのテキスト入力ベースの評価となり、OpenAIの過去モデルや、他社のモデルを大きくリードしているポイントが多数存在します。
それぞれの以下の数値をあらわしています。
- MMLU:初等数学、米国史、コンピュータ サイエンス、法律などを含む 57 の課題からなるデータセット
- GPQA: 大学院レベル(生物学、物理学、化学)の各分野の専門家によって作成された 448 個の多肢選択式質問からなるデータセット
- MATH:12,500 の難問を集めたデータセット
- HumanEval:言語理解、アルゴリズム、簡単な数学を評価する 164 のオリジナルのプログラミング問題などで構成されるベンチマーク
- MGSM:小学校の算数の問題のベンチマーク
- DROP:段落の内容に対する離散推論を必要とする新しい英語の読解ベンチマーク
従来のモデルと比較してもその性能が著しく向上しており、文法の正確さや文脈理解能力が大幅に向上しています。
訓練データの多様性も増加しており、より幅広いトピックやスタイルに対応することができます。
さらにGPT-4oは倫理的なAIの使用を促進するために設計されており、ユーザーが安全かつ責任を持って使用できるよう、さまざまなガイドラインや制約が導入されています。
GPT-4oの料金体系
GPT-4oの利用にはいくつかの料金プランが用意されており、基本的には無料もしくは月額のプランが中心です。
無料でアクセスできるプランは、初めて触れる方、小規模な開発者や学生には特に有力な選択肢ではないでしょうか。
無料ユーザーと有料ユーザーのGPT-4oにおける主な違いは、下図のようになります。
項目 | 無料ユーザー | Plusユーザー |
GPT-4oの利用 | ○ (回数制限:10回) | ○ |
音声会話 | ○ | ○ |
画像生成 | × | ○ |
ウェブからの情報取得 | ○ | ○ |
データ分析 | ○ | ○ |
画像解析、ファイルのアップロード | ○ | ○ |
GPTストアの利用 | ○ | ○ |
GPTsの作成 | × | ○ |
無料ユーザーは、DALL·E 3を使用した画像生成とGPTsの作成はできませんが、それでも今回のアップデートで、十分にパワーアップした内容になりました。
また、大規模な企業向けにはカスタマイズ可能なエンタープライズプランも用意されており、これにより各企業のニーズに合わせた料金設定が可能です。
企業向けプランでは、専用サポートや高度な機能が提供されるため、ビジネス用途に適した柔軟な利用が可能です。
具体的には、企業向けプランには、カスタマイズされたモデルや専用のインフラストラクチャへのアクセス、セキュリティ強化オプションなどが含まれています。
これにより企業は自身のビジネスニーズに合わせてAIを最適に活用することができます。
また、従来のモデルや前身のGPT-4よりも格段に安く使えるようになったAPIが存在します。
使用したトークン数に基づいて料金が計算されるAPIの利用は、使った分だけ支払う仕組みとなっており、より幅広いユーザーがGPT-4oの先進的な技術を利用できるようになっています。
バージョン | 入力 | 出力 |
GPT-4o | $5.00 | $15.00 |
GPT-4 | $30.00 | $60.00 |
コストが1/6程度になったのはかなり嬉しいですね。
GPT-4oの使い方
GPT-4oの基本的な使い方は、公式サイトにアクセスするとすでに使用可能となっています。
APIを通じて使用するユーザーはOpenAIのウェブサイトからAPIキーを取得し、それを使用して特定のタスクをGPT-4oにリクエストすることもできます。
たとえば、文章の生成、要約、翻訳、または特定の質問への回答など、さまざまなリクエストに対応しています。
また、従来ではChatGPT Plusを利用中のユーザーに解放されていたマルチモーダル機能が、今回合わせて無料ユーザーにも解放と提供が開始されました。
これから使い始める初心者の方でも、そういった機能はアイコンで分かりやすく表示されているので、簡単に理解し利用を開始することができます。
会員登録をされていない場合は、下記使い方の記事をご覧ください。
無料ユーザーの場合の使い方
無料版の場合は、何かしらのチャットのやりとり後、GPTの回答下に出てくるアイコンを見て判断する必要があります。
雷マークであればGPT-3.5、星マークであればGPT-4oとなっています。
無料版の場合は回数制限に達するまで、はじめからGPT-4oが選択されているので、特に変更の必要はありません。
無料ユーザーは初期設定されているモデルがGPT-4oにはなりますが、モデル詳細を確認すると下図のように、「Dynamic」となっており、任意での選択ができません。
モデルを選択する事はできませんが、下記の操作を行うことでモデルの切り替えが可能です。
Androidアプリの場合
たとえば、以下のようにChatGPTが返答してきた場合、文章そのものを長押しします。
そうすると、フローティングメニューが表示され、最下部に「GPT-4o」と表示され、
他のモデルに切り替えることができます。
iPhoneアプリの場合
操作はAndroidアプリと大体同じで、回答を長押し後の表示方法が少々異なりますが、異なるモデルを選択する事ができます。
有料ユーザーの場合の使い方
有料版の場合は、チャット画面左上にあるメニュー内に「GPT-4o」があるので、こちらを選んでいただければすぐに利用可能です。
Androidアプリの場合
アプリ上部にある「ChatGPT」と書かれている箇所をタップすると、メニューが上図のようなメニューが表示され、任意のモデルを選択できます。
iPhoneアプリの場合
Androidアプリと同様「ChatGPT >」と書かれた箇所をタップしてモデルの切り替えが可能です。
開発者向けGPT-4oの使い方
開発者向けには、さまざまなプログラミング言語やフレームワークに対応したサンプルコードも提供されているため、スムーズに統合を行うことができます。
さらに、GPT-4oはインタラクティブな開発環境にも対応しており、例えばJupyter NotebookやGoogle Colabなどで直接利用することが可能です。
データサイエンティストやリサーチャーは、迅速にプロトタイプを作成し、テストを行うことができ、GPT-4oを利用することで、カスタムモデルの訓練やフィードバックループの構築も容易になり、特定のニーズに合わせた高度なNLPアプリケーションを開発することができます。
また、セキュリティとプライバシーにも配慮されており、ユーザーのデータは厳格な基準で保護されています。
開発者向けAPIについては、下記記事をあわせてご覧ください。
Google DriveやMicrosoft One Driveとの接続が可能
上図のクリップボタンをクリックもしくは、「設定」から「接続するアプリ」を選択すると、Google DriveやMicrosoft One Driveと接続ができ、直接それぞれのドライブからファイルの取り込みが可能となっています。
これは痒いところに手が届く感じで、とても便利です。
GPT-4oの特長5つ
次に、GPT-4oの特長を5つ紹介していきます。
1. 技術的進歩とAIの精度
GPT-4oは技術的な進歩により、前モデルに比べてAIの精度が大幅に向上しています。
この進歩は、より複雑な文脈を理解し、微妙なニュアンスまで捉える能力に反映されています。
たとえば、従来のモデルでは困難だった曖昧な表現や、文脈に依存する表現についても、より自然で正確な応答を生成することができます。
GPT-4oはより多くのトレーニングデータを使用して訓練されているため、その知識ベースも大幅に拡大されているので、今までモヤモヤしていた印象や回答がスッキリとしていることに気が付くことでしょう。
2. 言語モデルとしての多様性
GPT-4oは多言語対応が強化されており、さまざまな言語での精度が向上しています。
国際的なビジネスや多文化間のコミュニケーションにも効果的に活用することができ、特に日本語を含む多言語での処理能力が高いため、多様なユーザーのニーズに対応できます。
さらに、GPT-4oは専門用語や業界特有の表現にも対応しており、各分野に特化した応答を生成することができるので、特定の業界や専門分野での利用が今まで以上に簡単になりました。
3. 実用性とアクセシビリティの向上
GPT-4oは使いやすさを重視して設計されており、技術に詳しくないユーザーでもAIの導入障壁が低くなったことで、容易に高度なNLPタスクを実行できるようになっています。
具体的には、直感的なインターフェースや豊富なチュートリアルが提供されており、初心者でも簡単に使い始めることができるので、より多くのユーザーがその恩恵を受けられるようになりました。
4. 音声モードの向上
GPT-4oは音声認識と音声生成の機能も大幅に向上しています。
音声アシスタントや音声入力デバイスでの利用がさらに快適になりました。
下図はWisper-v3との比較になり、タイトルにあるようにスコアが低い方が優秀となっています。
高度な音声認識技術により、正確な音声入力が可能となり、音声生成も自然で滑らかなものになっています。
たとえば、音声アシスタントを使用してメモを取ったり、音声でコマンドを入力する際の精度と反応速度が向上し、より直感的な操作が可能です。
音声翻訳は下図にあるように、Google のGeminiを超える精度となっています。
5. 画像生成機能の向上
GPT-4oはテキストだけでなく、画像生成機能も大幅に向上し、ユーザーはテキストから高品質な画像を生成することができます。
クリエイティブなプロジェクトやマーケティング資料の作成において、テキストからビジュアルコンテンツを生成する能力は大きなメリットとなるでしょう。
製品のプロトタイプやコンセプトアートの作成において、その精度と多様性は役立ちます。
画像生成アルゴリズムの進化により、ユーザーの意図をより正確に反映した画像を作成することが可能になってるので、連続性のある画像の生成も可能です。
たとえば、下記画像のようなジャケットを羽織ったボブカットの女性を生成してもらいました。
GPT-4oに「この女性がラーメンを食べているシーンを生成してください。」と送信してみると
髪やジャケットの色などは変わってしまいましたが、同一人物といえば同一人物でしょう。
先ほど指示した「この女性」のようなニュアンスでも、しっかりと理解し生成できるので、画像生成に関しても以前とは比べ物にならないくらい簡単になりました。
GPT-4oに関するよくある質問
最後にGPT-4oに関するよくある質問と回答をまとめましたので参考にしてください。
GPT-4oは無料?
基本的には無料プランが提供されていますが、無料ユーザーはGPT-4oを10回使用すると、使用可能な機能やモデルがGPT-3.5に自動的に切り替わり、約5時間後に再度使えるようになります。
無料プランは小規模なプロジェクトや学習目的に最適ですが、大規模なプロジェクトやビジネス用途には有料プランを検討することをおすすめします。
GPT-4oは日本語にも対応している?
GPT-4oは日本語を含む多言語に対応しており、日本語の処理能力も非常に高いです。
そのため、日本語を用いたさまざまなタスクにおいても高いパフォーマンスを発揮し、文章生成や要約、翻訳など、日本語特有のニュアンスを理解し、自然な応答を生成する能力が優れています。
GPT-4oはいつから使える?
GPT-4oはすでに無料ユーザーにも一般公開されており、ChatGPT Plusユーザーには優先アクセスが提供されています。
多くのユーザーがすぐにGPT-4oの機能を体験することができ、定期的なアップデートにより常に最新の技術が提供されるため、利用ユーザーは継続的に進化するAIの恩恵を体験できます。
GPT-4oの読み方は?
正式名称はChatGPT-4 omniなので、「ジーピーティー・フォー・オムニ」と読みます。
GPT-4oはアプリで使える?
GPT-4oは現在、スマートフォン各種アプリで使用可能となっていますが、機種によっては対応非対応などあるようです。
※詳しくはアプリの対応OSバージョンをご確認ください。
まとめ
この記事を通じて、GPT-4oの基本的な特徴、使い方、料金体系について理解を深めることができましたでしょうか。
GPT-4oの活用により、ビジネスの成長や学術研究の進展など、多岐にわたる分野での成功を目指すことができるので、自身のニーズに合わせてGPT-4oを選択し、そのポテンシャルを最大限に引き出してみましょう。
AI技術の進化は、私たちの日常生活や仕事の在り方を変える可能性を秘めています。
GPT-4oは倫理的なAIの使用を促進する設計がなされていますが、ユーザー自身にも安全で責任ある利用が求められ、そうすることで、AIの進化が持続可能になり、社会的にも有益であることが保証されます。
GPT-4oを最大限に活用することで、さまざまな業界で新たな価値の創出や作業効率の向上など、未来の可能性を広げる、より質の高いコミュニケーションが可能になります。