Googleが新たに発表した「Veo2」は、最大4K解像度でリアルな映像を制作する革新的な動画生成AIです。
これまでの動画生成AIとは異なり、人間や動物などの微細な動きや表現を精密に再現できる点が注目されています。
本記事では、Veo2の特徴や使用方法、料金に関する最新情報をお届けします。

Google開発の動画生成AI「Veo2」とは?

Google DeepMindは、2024年12月16日(現地時間)に新たな動画生成AI「Veo2」を発表しました。
Veo2は最大4K解像度に対応した動画生成AIですが、2025年4月時点でGemini AppおよびWhisk経由で利用できる一般向けバージョンは720p(1280×720)の解像度に制限されています。

4K出力は、Google Cloudの法人向けサービス「Vertex AI」を通じた提供に限定されており、今後のアップデートによって一般ユーザーにも展開される可能性があります。
下記のグラフは、Metaが提供したベンチマークデータセット「MovieGenBench」をもとに、1003件のプロンプトで実施された比較テストの結果です。





上記のテストでは、Veo2が「動画のクオリティ」と「プロンプトの忠実度」において、Soraを超える優れたパフォーマンスであることを示しました。
Veo2が4月よりGemini App/Whiskで提供開始に
2025年4月、Googleは「Veo 2」の一般提供を開始しました。
対象プラットフォームは、テキスト入力で動画を作れる「Geminiアプリ」と、画像に動きを加えるツール「Whisk」です。


これまで専門的なスキルが求められていた動画生成が、ブラウザやスマートフォンから誰でも簡単に扱えるようになりました。
Geminiでは、テキストを入力するだけで、最長8秒のシネマティック映像を1〜2分で自動生成。作成した動画はMP4形式で保存でき、TikTokやYouTubeショートへの共有もワンタップで可能です。
一方のWhiskでは、「Whisk Animate」機能が追加され、静止画に自然なアニメーション効果を加えることができます。



これらの機能は、Google Oneの「AIプレミアムプラン」(月額2,900円)に加入することで利用可能です。
Veo 2は、高性能ながら操作がシンプルで分かりやすく、個人のクリエイターはもちろん、教育やマーケティングなど多様な分野での活用が見込まれています。
動画生成AI「Veo2」は無料?料金体系


Veo 2は2025年4月から、GoogleのAI統合サービス「Gemini App」および画像生成ツール「Whisk」を通じて一般ユーザー向けに提供が開始されました。
利用には「Google One AIプレミアムプラン(月額2,900円/$20)」への加入が必要で、現在は個人アカウントに限定されており、教育機関や法人向けのGoogle Workspaceでは利用不可となっています。
なお、Google One AIプレミアムプランでは、Gemini AdvancedやNotebookLM Plus、クラウドストレージ2TBなどの特典も含まれており、Veo 2による動画生成もその一部となっています。



このプランは、1か月の無料トライアル期間が用意されており、ユーザーはその期間中にVeo 2を試すことができるよ!
動画生成AI「Veo2」の特長3つ
従来の動画生成AIで高い評価を受けている「Sora」を超えると注目されている「Veo2」ですが、どのような特長があるのでしょうか。
動画生成AI「Veo2」の主な特長は下記のとおりです。
- リアルで複雑な動きも再現できる
- プロンプトに忠実な動画を生成できる
- 不自然な映像が生成されにくい
1.リアルで複雑な動きも再現できる
Veo2は、物理現象や人間の動き、表情の微細なニュアンスを理解し、他の動画生成AIに比べてよりリアルな映像を作り出すことができます。
たとえば、以下のVeo2で生成された動画では、自然な動きや表情が再現されており、リアリティの高い映像となっています。



細かな表情やジェスチャー、目線といったリアルで複雑な動きが、しっかりと動画に反映されていますね!
2.プロンプトに忠実な動画を生成できる
Veo2は、プロンプト指示に忠実に従い、シーンごとに設定されたカメラアングルやレンズ、撮影技法を適切に反映します。
たとえば、Veo2によって生成された以下の動画は、次のようなプロンプト指示を元に生成されたものです。
完璧に盛り付けられた朝食のシーンの後ろでゆっくりと昇る。濃厚な黄金色のメープルシロップがふわふわのパンケーキの山の上にスローモーションで注ぎ、それぞれが柔らかく暖かい蒸気雲を放出します。カリカリのベーコンの灼熱のクローズアップは、黄金色のグリースの小さな残り火を空中に送ります。コーヒーは、クリスタルクリアなカップに滑らかで渦巻きのような動きで注ぎ、深い茶色のクレマの層で満たされます。シーンは、カットされたばかりのオレンジにカメラが急降下することで終わり、その明るくジューシーなセグメントが見事なマクロディテールで明らかにされます。
※実際には英文のプロンプトが使用されているため、表現が若干異なる場合があります。



このように、Veo2は細かなプロンプト指示にも忠実に従い、正確な再現が可能です。
3.不自然な映像が生成されにくい
他の動画生成AIでは、指の本数が不自然に多かったり、予期しない物体が現れたりする「幻覚問題」がよく発生しますが、Veo2ではその頻度が少なく、より現実的な映像が得られます。
たとえば、以下のVeo2で生成された動画では、指の本数や突如として謎の物体が現れることはなく、自然な映像が生成されています。



Veo2の登場により、「AIによって生成された動画」と「実際に撮影された動画」の違いがますます曖昧になり、その区別がつかなくなる時代が到来するかもしれませんね。
Veo2の使い方と利用方法
Veo 2は、Googleの生成AIプラットフォーム「Gemini App」と実験的画像ツール「Whisk」から手軽に利用できます。
どちらもGoogleアカウントとAIプレミアムプランに加入していれば、追加のインストールなしで即利用可能です。
GeminiアプリからのVeo2利用方法


Geminiでは、アプリまたはWebブラウザからアクセスし、モデル選択画面で「Veo 2」を選びます。
生成したい映像の内容をテキストプロンプトで入力し送信すると、1〜2分ほどで8秒のMP4動画が生成されます。
プレビュー後は保存やSNS共有が可能で、UIもシンプルなため初心者でも扱いやすい設計です。
Whiskとの連携:画像から動画を生成する方法
Whiskでは、自分がアップロードした画像や生成画像に対し「Animate」機能を適用することで、静止画から動的な映像を作成できます。
たとえば風景写真に「水面を揺らす」といった動きの指定が可能で、短いアニメーション動画として出力されます。



Geminiと同様、結果はMP4形式でダウンロード可能です。
プロンプトのコツと効果的な指示テクニック
Veo 2では、具体性と視覚的表現を重視したプロンプトが効果的です。
たとえば、「日没の海辺で犬が走るシーン」「ドローン視点で渓谷を滑空する映像」など、カメラアングルや雰囲気、登場人物の動作を明確に記述することで、精度の高い出力が得られます。



曖昧な指示よりも、映画のワンシーンを説明するように書くのがコツだよ!
動画生成AI「Veo2」に関するQ&A
最後に、「Veo2」に関するQ&Aについて確認していきましょう。
- 「Veo2」は商用利用できる?
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Gemini AppやWhiskを通じてVeo 2を利用する場合、現時点では非商用利用が前提とされており、商用目的での使用に関する明確なライセンスや公式な利用規約は公表されていません。
一方で、Googleは企業向けに「Vertex AI」上でVeo 2を提供しており、こちらは商用ライセンスが明確に設定されているため、業務用途での利用を検討する場合にはVertex AIを通じた利用が適切です。
- Googleアカウントがあれば誰でも使える?
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Veo 2を利用するには、Googleアカウントの保有が前提ですが、それだけでは不十分です。実際に機能を使用するには、「Google One」のAIプレミアムプラン(月額2,900円)への加入が必要となります。
さらに注意点として、Google Workspace(業務用や教育機関向けアカウント)では、Geminiは利用可能でもVeo 2の機能は制限されており、個人のGmailアカウントのみが対象となっています。そのため、すべてのGoogleユーザーが自由に使えるわけではなく、利用にはいくつかの条件があります。
現在、対応しているのはPCおよびスマートフォンのブラウザ、もしくは専用アプリのみとなっており、デバイスの種類にも制限があります。
- 「Veo2」は日本でいつから使える?
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「Veo 2」は2025年4月から、日本を含む世界中で提供が開始されました。日本語でのプロンプト入力にも完全に対応しており、PCのブラウザやスマートフォンから手軽に利用することが可能です。
ただし、中国本土などのGoogleサービスが制限されている地域では、Veo 2の利用はできません。
- 「Veo2」の読み方は?
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「Veo2」の読み方は「ヴェオツー」です。
まとめ
Googleの新しい動画生成AI「Veo2」は、現実世界の動きを忠実に再現し、他の動画生成AIよりも高いパフォーマンスを発揮できると大きな話題となっています。
今後は、AI動画作成の新たなスタンダードとなることが期待されています。