Googleドキュメントは、ビジネスで広く利用されているワープロソフトです。しかし、Googleドキュメントに、議事録作成を効率化できる「文字起こし機能」があることを知らない人も多いです。
この記事では、Googleドキュメントの文字起こし機能の使い方を、画像を交えて初心者にも分かりやすく解説します。
Googleドキュメント以上の文字起こし機能を持ったツールも紹介するので、ビジネスで文字起こしをしたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
Googleドキュメントの文字起こし機能とは?
Googleが提供する無料のワープロソフトである「Googleドキュメント」は、文字起こし機能が付いています。
通常、ワープロソフトはキーボードを使いテキストを入力していきますが、文字起こし機能が付いていれば、音声からでも入力が可能です。
文字起こし機能を活用する、主なメリットは以下の通りです。
- 会議中に自動でテキスト入力が可能
- タイピングが遅い人でも音声で素早く入力可能
- タイピングが不要なので会話に集中できる
- 多言語での文字起こしが可能
文字起こし機能を活用すると、業務効率の向上やミスの防止に繋がります。無料で利用できて、ソフトのインストールも不要なので、まずは気軽に使ってみましょう。
Googleドキュメントを使った文字起こし方法
Googleドキュメントは、PCやスマホアプリなどで利用可能です。ここでは、それぞれのデバイスで、リアルタイム文字起こしをする方法を解説します。
PCで文字起こしを行う手順
まずは、Googleドキュメントにアクセスしてください。
トップページの「ログイン」をクリックします。ログインをするには、Googleアカウントが必要です。事前に取得しておいてください。
ログインすると画面上部に「空白のドキュメント」があります。空白のドキュメントをクリックすると、新しいドキュメントが作成されます。
新しいドキュメントを作成したら、画面上部のメニューから「ツール」→「音声入力」を選択してください。
ツールから音声入力を選択すると、画面にマイクのアイコンが表示されます。
このマイクのアイコンをクリックすると、文字起こしが開始されます。文字起こしを終了するには、もう一度マイクのアイコンをクリックしてください。
スマホアプリで文字起こしを行う手順
Googleドキュメントは、スマホアプリでも文字起こしができます。ここでは、iPhoneとAndroidで文字起こしを行う手順を解説します。
iPhoneで文字起こしする方法
iPhoneのGoogleドキュメントアプリは、「App Store」からダウンロードできます。
ダウンロードしたアプリを開いたら、画面下部から新規ドキュメントを開いてください。
新規ドキュメントを開くと、画面右下にマイクアイコンが表示されます。マイクアイコンをタップすると、音声入力が開始されます。
マイクアイコンが表示されない場合は、設定アプリの「一般」→「キーボード」から「音声入力」にチェックが付いていることを確認してください。
Androidで文字起こしする方法
スマホで文字起こしを行うには、まずはGoogleドキュメントのアプリをダウンロードします。Androidの場合は、「Playストア」からダウンロードが可能です。
ダウンロードしたアプリを開くと、画面の下部に新規ドキュメントを開くボタンが表示されます。
新規ドキュメントが開かれたら、入力欄のマイクをクリックしてください。マイクをクリックすると、音声入力が開始されます。
【応用】音声データから文字起こしする方法
Googleドキュメントは、マイクに話して文字起こしをするだけでなく、音声データからも文字起こしが可能です。
ここでは、WindowsとMacで音声データから文字起こしをする方法を解説します。
Windowsで文字起こしをする
Windowsで文字起こしをするには、まずはステレオミキサーの設定が必要です。
Windowsのタスクバーに表示されている音声マークを右クリックして、サウンドの設定を選択してください。
続いて、「詳細設定」から「サウンドの詳細設定」をクリックします。
タブの「録音」から、ステレオミキサーを右クリックして、有効化すれば設定は完了です。
設定が完了したら、先ほど解説したPCで文字起こしをする方法の通りに作業するだけです。
Macで文字起こしをする
Macにはステレオミキサーが標準で搭載されていません。そのため、仮想オーディオドライバーと呼ばれるアプリをダウンロードする必要があります。
おすすめの仮想オーディオドライバーは、「Black Hole」です。
公式サイトから無料でダウンロードできます。
Black Holeをインストールしたら、Macのメニューバー右上のコントロールセンターをクリックしてください。「サウンド」→「出力」で「Black Hole」をクリックします。
これで設定は完了なので、先ほど解説したiPhoneで文字起こしをする方法の通りに作業をしてください。
Googleドキュメントの文字起こし機能の限界
Googleドキュメントの文字起こし機能は、さまざまな場面で活用できますが、文字起こし専用ソフトではないため限界があります。
使用を続けていると、以下のような不満を持つ可能性があります。
- 音声認識の精度が悪い
- 複数人の会話が入力されない
- 話者が認識されない
- 要約機能が付いていない
Googleドキュメントは、あくまでワープロソフトです。文字起こしに特化したサービスではありません。
会議の議事録や、講義のレポートなどをより効率的に作成したい方は、次章で紹介するおすすめの文字起こしツールを使ってみてください。
Googleドキュメント以外におすすめの文字起こしツール
ここでは、Googleドキュメント以外に、文字起こしに便利な機能が搭載されたツールを3つ紹介します。
使いやすさ | 精度 | 料金 | 無料トライアル | 対応言語の多さ | |
---|---|---|---|---|---|
Nottaおすすめ! | ◎ | ◎ | フリー:0円(120分/月) プレミアム:2,200円(1800分/月) ビジネス:4,180円(無制限/月) エンタープライズ:要相談 | 〇 | 〇 |
CLOVA Note | ◎ | 〇 | オープンベータ期間中は無料(300分/月) | ◎ | △ |
AI GIJIROKU | 〇 | ◎ | フリー:0円(議事録のチュートリアルと閲覧のみ) パーソナル:16,500円/年(100分/月) チーム:327,800円/年(1000分/月) ビジネス:2,200,000円/年(10,000分/月) | × | 〇 |
Notta|文字起こしに必要な機能が全部入り
Nottaは、文字起こしに必要な機能が多く搭載されているツールです。
たとえば、複数人で会議をする際は、それぞれの話者を判別して、誰が話したのか分かる状態で文字起こしされます。
また、文字起こししたテキストを、AIが要約する機能も付いています。これらの機能を使えば、会議の議事録が一瞬で完成するでしょう。
気になる文字起こしの精度ですが、認識率は驚きの98.86%!
文字起こし後の、人の手による修正の時間も削減可能です。
また、Android/iPhone用のアプリが用意されているので、外出先での打ち合わせでもNottaを利用できます。
さらに、Webブラウザの「Chrome」の拡張機能でも利用できます。拡張機能は、面倒な設定は不要で、Webページの音声をリアルタイム文字起こしが可能。
Nottaは、仕事で文字起こしをすることが多く、業務を大幅に改善したい人におすすめです。
CLOVA Note|完全無料で利用で文字起こしができる
CLOVA Noteは、完全無料で文字起こしができるツールです。
無料で利用できますが、以下のような文字起こしに必要な機能が搭載されています。
- 話者識別
- 重要なポイントのブックマーク
- 検索機能
- 簡単にデータを共有
CLOVA Noteは、Webブラウザとアプリで利用できます。Webブラウザでは毎月300分が利用でき、アプリは無制限です。
シンプルな機能で使いやすいので、初心者の方が最初に利用する文字起こしツールとしておすすめです。
ただし、外国語には対応しておらず、日本語のみなので注意してください。
AI GIJIROKU|Zoomと連携するだけで文字起こしができる
AI GIJIROKUは、ビジネスでの議事録作成に特化したツールです。
オンライン会議で利用されることの多いZoomと連携するだけで、話した内容を字幕表示できます。また、通話終了後は、議事録を自動保存してくれます。
英語やドイツ語・中国語など、30か国語に対応。海外支社との会議であっても、日本語に翻訳して議事録を残すことが可能です。
音声認識率は99.8%と高く、以下のような専門分野にも対応できます。
- 法律
- 医療
- 化学
- IT用語 など
文字起こしツールによっては、専門分野の音声認識率が著しく落ちるものもあります。専門分野の文字起こしをする際は、事前にその分野に対応可能かチェックするといいでしょう。
AI GIJIROKUは、Zoomで会議をする機会が多く、議事録作りを効率化したいと考えている人におすすめです。
Googleドキュメントの文字起こし機能Q&A
ここでは、Googleドキュメントの文字起こし機能に関するQ&Aを紹介します。
画像データから文字起こしは可能?
Googleドキュメントは、画像データから文字起こしが可能です。
まず、文字起こししたい画像データを「Googleドライブ」に保存します。Googleドライブで保存したデータを右クリックしてから、「アプリで開く」→「Googleドキュメント」を選択してください。
選択した画像と、文字起こしされたテキストが表示されます。
今回は首相官邸のサイトに掲載されていた「米国カリフォルニア州における山火事被害に関する石破総理大臣によるお見舞いメッセージの発出」を文字起こししてみました。
比べてみると分かりますが、一字一句間違いなく文字起こしされています。無料で簡単に利用できますが、ビジネスレベルでも十分に通用するといえます。
Googleドキュメントの文字起こし機能は無料?
Googleドキュメントの文字起こし機能は、完全無料で利用できます。
ただし、Googleアカウントを持っていることが条件です。Googleアカウントは無料で登録できるので、事前に準備しておきましょう。
また、PCにマイクが付いていない場合は、音声を認識させるためにマイクも必要です。
Googleドキュメントの文字起こし機能の精度は?
Googleドキュメントは、音声認識率が公表されていませんが、精度が高いと評判です。無料で利用できる他の文字起こしツールと比べても、遜色ないでしょう。
ただし、地名や人名・専門用語には弱い傾向にあります。これはGoogleドキュメントには、音声認識の単語登録機能がないためです。
その他の有料文字起こしツールは、専門用語を登録できるだけでなく、各分野に対応できるようにアップデートされています。
専門性の高い分野でGoogleドキュメントを使用する場合、文字起こし後の修正が多くなるので注意しましょう。
また、複数人での会話を文字起こしする場合も、精度が悪くなります。それぞれの話者を判別する機能も付いていないため、話者ごとに区別されずテキストが羅列されるだけです。
そのため、専門用語が多く、複数人の会議を文字起こしするのであれば、Googleドキュメントは向いていないでしょう。
▷Googleドキュメント以外の「おすすめの文字起こしツール」を確認する
まとめ
Googleドキュメントの文字起こし機能とは、音声をテキストに変換する機能です。
タイピングが不要なので、会話に集中でき、会議を自動でテキストにできるなどのメリットがあります。
Googleドキュメントの文字起こし機能は、Webブラウザだけでなく、iPhone/Androidでも利用可能です。スマホで利用すれば、外出先での打ち合わせでも文字起こしができます。
また、Googleドキュメントは音声だけでなく、画像からも文字起こしが可能です。テキストの含まれた画像をGoogleドライブに保存してから、Googleドキュメントで開くだけで文字起こしが完了します。
Googleドキュメントの文字起こし機能は、無料で利用可能です。しかし、文字起こし専用ツールではないため、精度に限界があります。特に、複数人での会話や専門用語は、精度が悪くなるでしょう。
Googleドキュメントの文字起こしを利用して、不満を感じる場合は、今回紹介した文字起こしツールを使ってみてください。