画像生成AIは、さまざまな企業がサービスを提供していて、得意分野や特徴が異なります。
自分のイメージ通りの画像を生成するには、サービスごとの特徴を知ることが大切です。
今回は、注目の画像生成AI9選を紹介して、それぞれのサービスを徹底比較していきます。
画像生成AIとは
画像生成AIとは、プロンプト(呪文)と呼ばれるテキストを入力すると、人工知能(AI)が画像を作り出す技術です。テキストだけでなく、画像データの画風やタッチなどの特徴を参考にして、新しい画像を生み出せます。
テキストや画像データで指示ができるため、絵やデザインの学習をした経験のない人でも、新しい画像を作り出せます。
また、簡単に操作できるサービスが多く、パソコンが苦手な人でも、すぐに慣れて使いこなせるでしょう。
画像生成AIのメリットと活用例
画像生成AIを使うと、作業を効率化させて、新たなアイデアも豊富に湧いてきます。
ここでは、画像生成AIのメリットと活用例を紹介します。
作業効率の向上
画像生成AIは、Webサイト制作やゲーム開発などの画像作成の作業を大幅に効率化できます。
自分で画像を作成する場合と比べて、色塗りや構成を考える作業を省けるためです。
例えば、Webサイト用の画像を作成する場合、「白と黒を基調にしたデザインで、オシャレなオフィスの画像を作って」とプロンプトを入力するだけで作業が完了します。
画像作成の工程が減り、短時間で必要な画像が揃えば、Webサイト開発などに必要な時間を短縮できるでしょう。
アイデアの幅が拡大
画像生成AIを使用すると、自分の引き出しにはないアイデアが次々と湧いてきます。
「〇〇風で作成して」とプロンプトを入力するだけで、さまざまな画風の画像を作り出せるためです。
例えば、以下のような画風の指定ができます。
- 浮世絵風
- 水彩画風
- 油絵風
- ステンドグラス風
- モナリザ風
その他にも、さまざまなタッチに対応していて、簡単に画風を変えられます。
複数の画風を簡単に試せて、これまでに思い浮かばなかったアイデアの画像を作成できるでしょう。
画像の統一感がアップ
作成する画像の雰囲気やコンセプトを合わせれば、統一感がアップします。
自社や商品のブランディングをする際に、雰囲気を統一できれば、イメージを損なわず消費者に訴求できるでしょう。
画像生成AIで作成する画像に統一感を出すには、以下の要素が重要です。
- カラー
- フォント
- レイアウト
上記の項目を統一させて画像を作成すれば、一貫性のあるデザインを作成できるでしょう。
注目の画像生成AIサービス9選|徹底比較
画像生成AIは、サービスごとにさまざまな特徴があります。
ここでは、おすすめの画像生成AI9選を紹介します。
それぞれの特徴を把握して、自分に最適なサービスを選んでください。
Stable Diffusion
Stable Diffusionは、簡単な操作だけで画像を生成できるサービスです。
日本語でのプロンプト入力も可能ですが、英語で指示できる利用者であれば、よりイメージに合致した画像を作成できるでしょう。
Stable DiffusionはオープンソースAIのため、多くの画像生成サービスに活用されています。
例えば、MageやHugging Faceなどを利用すれば、簡単にStable Diffusionでの画像生成が可能です。
その他にも、自分のPCにインストールして画像生成をすることもできます。
初回登録時に25creditが付与されて、複数の画像を無料で作成可能です。
運営会社 | Stability AI |
特徴 | ・イラストや写真・漫画など、さまざまな雰囲気の画像を生成できる ・複雑なコードは不要で簡単な指示で画像生成が可能 |
サイトの使いやすさ | ・シンプルな操作で画像を生成できる ・インストールに多少手間取る可能性があり |
日本語対応 | 拡張機能のインストールで日本語表示可能 |
料金 | $10/1,000 credits |
無料利用 | 25credits分が無料 |
リリース日 | 2022年11月 |
公式サイト | https://ja.stability.ai/stable-diffusion |
Midjourney
Midjourneyは、チャットアプリのDiscord上で利用する画像生成AIです。
以前は無料での使用もできましたが、現在は有料版のみです。
生成する画像の質が高く、プロのアーティストやデザイナーも仕事に活用しています。
高品質な画像を作成できますが、パラメーターの設定が必要で、初心者が直感的に扱うのは難しいでしょう。
ただし、慣れてしまえば、イメージした通りの画像を作れるようになります。
Midjourneyで作成した画像例
プロンプト:imagine/ prompt Murrine glass vegetables
運営会社 | Midjourney |
特徴 | ・Discord上で利用する画像生成AI ・ビジネスでもすぐに利用できるレベルの高クオリティ |
サイトの使いやすさ | ・細かな設定が必要で初心者は慣れるのに時間が必要 |
日本語対応 | 未対応 |
料金 | ベーシックプラン :10ドル/月スタンダードプラン : 30ドル/月プロプラン :60ドル/月メガプラン :120ドル/月 |
無料利用 | 不可 |
リリース日 | 2022年7月13日 |
公式サイト | https://www.midjourney.com/home/?callbackUrl=%2Fapp%2F |
DALL-E
DALL-Eは、ChatGPTを運営するOpenAIが提供する画像生成AIです。
イラスト風や漫画風などさまざまなタッチの画像を生成できますが、特に写真のようなリアルな画像が得意です。
DALL-Eで生成した画像例
プロンプト:写実的なスタイルで馬に乗る宇宙飛行士
出典:OpenAI公式サイト
サイトはシンプルな構造で、初心者にも使いやすく、直感的に画像を生成できます。
生成した画像は、一部を削除したり、新たにプロンプトを入力して追加したりと編集が可能。
細かな修正を繰り返して、イメージ通りの画像を作成できます。
運営会社 | OpenAI |
特徴 | ・写実的な画像の生成が得意 ・生成した画像の一部を削除して新たにテキストで指示が可能 |
サイトの使いやすさ | ・プロンプトの入力欄が分かりやすく、簡単に画像を生成できる |
日本語対応 | 未対応 |
料金 | 115credit/15ドル |
無料利用 | 不可 |
リリース日 | 2022年9月 |
公式サイト | https://openai.com/dall-e-2 |
Adobe Firefly
Adobe Fireflyは、簡単な登録のみで無料利用ができる画像生成AIです。
シンプルなサイト構造で、簡単に画像生成ができるため、初心者の方にも適しています。
コンテンツタイプは、以下の3種類があり簡単にタッチを変更可能。
- Photo
- Graphic
- Art
その他にも色調やライティングなども選択でき、操作に慣れていない人でも直感的に画像を生成できます。
Adobe Fireflyでの画像生成例
プロンプト:神社で夜桜を眺める男女
運営会社 | Adobe |
特徴 | ・3Dを元にした画像生成が可能 ・テキストにスタイルやテクスチャの追加ができる |
サイトの使いやすさ | ・シンプルなサイト構造になっていて初心者でも使いやすい |
日本語対応 | 対応済み |
料金 | 毎月25creditまで無料利用可能毎月100creditのプレミアムプランは月額680円 |
無料利用 | 可能 |
リリース日 | 2023年9月 |
公式サイト | https://www.adobe.com/jp/sensei/generative-ai/firefly.html |
Canva
Canvaは、オンラインでさまざまなデザインを作成できるサービスです。
CanvaのMagic Mediaというアプリを使用すれば、テキストから画像や動画を生成できます。
生成した画像や動画をCanvaでデザインすれば、すぐにチラシやSNSの投稿データを作成できます。
単に画像生成するだけでなく、生成したデータを活用してデザインを作りたい人に向いているでしょう。
Canvaで生成した画像例
プロンプト:ヒーローと怪人が戦っているシーンをアメコミ風に作成して
迫力のある構図でクオリティの高い画像が生成されました。
生成した画像はすぐにCanva上で編集でき、テキスト入力や他の素材と合わせてデザイン可能です。
Canvaはデザイン機能が豊富にあるため、画像生成だけを目的とすると使いづらい可能性があります。
運営会社 | Canva Pty, Ltd, |
特徴 | ・画像だけでなく動画も生成可能 ・テロップや音楽を追加するなど動画編集もできる |
サイトの使いやすさ | ・画像生成に特化したサイトではないため、使用前に多少の設定が必要 |
日本語対応 | 対応済み |
料金 | ・Canba Free:50回まで無料利用可能 ・Canva Pro:他の機能を含めて無制限に利用可能 |
無料利用 | 50回まで無料で利用可能 |
リリース日 | 2023年10月 |
公式サイト | https://www.canva.com/ |
Bing Image Creator
Microsoftが提供するBing Image Creatorは、Microsoftアカウントを持っていれば基本無料で使用できる画像生成AIです。
リリース当初は英語のみ対応していましたが、現在は日本語でプロンプトを入力可能。
また、プロンプトを自分で入力する以外にも、以下の方法で画像を生成できます。
- 質問に答えておまかせで入力する
- サンプル画像のプロンプトを参考にする
上記の方法を活用すれば、自分の頭にない発想で画像を作れます。
プロンプト作成に慣れていない人でも、イメージ通りの画像になるでしょう。
Bing Image Creatorで生成した画像例
プロンプト:月明かりに照らされた道を歩く会社員
運営会社 | Microsoft |
特徴 | ・OpenAIのDALL・Eを使用していて品質の高い画像を生成可能 ・自動でプロンプトを作成してくれる機能がある |
サイトの使いやすさ | ・Microsoftアカウントを持っていれば、すぐに使用を開始できる ・順番待ちや招待も不要で誰でもアクセス可能 |
日本語対応 | 対応済み |
料金 | 基本無料で利用可能 |
無料利用 | 可能 |
リリース日 | 2023年3月 |
公式サイト | https://www.bing.com/create |
Deep Dream Generator
Deep Dream Generatorは、Googleが開発した人工知能「Deep Dream」を使った画像生成AIです。
画像を生成するだけでなく、アップロードした画像と同じ画風で、新たな画像の生成も可能。
プロンプトは日本語に未対応のため、翻訳ソフトなどで変換してから入力する必要があります。
Deep Dream Generatorで生成した画像例
プロンプト:People buying coffee from vending machines in the city(都会の自動販売機でコーヒーを買う人)
運営会社 | Aifnet Ltd. |
特徴 | ・テキストだけでなく参考画像を示して画像生成が可能 ・アップロードした画像を同じ画風で新たな画像に変換できる |
サイトの使いやすさ | ・豊富なスタイルやパラメーターを設定可能で、スムーズに操作するには経験が必要 |
日本語対応 | 未対応 |
料金 | ADVANCED 月額19ドル:120credit、1時間に12creditが追加 PROFESSIONAL 月額39ドル:250credit、1時間に18creditが追加 ULTRA 月額99ドル:750credit、1時間に60cvreditが追加 |
無料利用 | 100creditまで無料利用可能 |
リリース日 | 不明 |
公式サイト | https://deepdreamgenerator.com/ |
NovelAI
NovelAIは、プロンプトから小説のテキストを作り出せる文章生成AIです。
小説の挿絵を作る機能があり、テキストから画像を生成できます。
アニメ風のイラストに特化したAIのため、写真のようなリアルな画像を生成するのは得意ではありません。
NovelAIで生成した画像例
出典:NovelAI公式サイト
NovelAIは、有料プランのみ画像生成に対応しています。
写真のようなリアルな画像を生成には向いていないため、登録前に使用目的に合っているか確認しましょう。
運営会社 | Anlatan |
特徴 | ・アニメやイラストの画像生成に特化している ・画像だけでなく小説の文章を作成可能 |
サイトの使いやすさ | ・日本語に対応しているが、すべてが日本語で表示されるわけではない |
日本語対応 | 対応済み |
料金 | ・Tablet 月額10ドル:1000credit/月 ・Scroll 月額15ドル:1000credit/月 ・Opus 月額25ドル:10000credit/月 |
無料利用 | 不可 |
リリース日 | 2022年10月 |
公式サイト | https://novelai.net/ |
画像生成AIを利用するときの注意点
画像生成AIを使用すれば、絵を描けない人でも、気軽に質の高い画像を作り出せます。
しかし、生成した画像を公開する場合は、著作権と肖像権に注意が必要です。
画像生成AIの注意点を把握すれば、トラブルを避けられるでしょう。
著作権、肖像権を侵害しないために
画像生成AIは、知らずのうちに著作権や肖像権を侵害する可能性があります。
既存のキャラクターやイラストと似ている画像が生成されてしまうためです。
実際に、「画風を盗用された」「アップロードした画像が勝手にAIに学習されていた」など、不満を抱えているクリエイターは多くいます。
AIにより生成した画像は発展段階にあり、ルールも完全には整備されていません。
しかし、2023年7月に文化庁が「AIと著作権の関係等について」という資料を公表しました。
この資料では、類似性や依拠性が認められると、著作権の侵害になるとされています。
損害賠償請求だけでなく、刑事罰の対象となるため、著作権や肖像権を侵害しないように画像生成AIを活用しましょう。
まとめ
画像生成AIとは、人工知能がテキストから画像を作り出す技術です。
画像生成AIを活用すると、作業効率の向上やアイデアの幅が拡大するなどのメリットがあります。
おすすめの画像生成AIには、Stable DiffusionやMidjourneyなどがあり、無料で使用できるサービスもあります。
気軽に利用できる画像生成AIですが、著作権や肖像権を侵害に注意が必要です。
画像生成AIを利用する前に、AIと著作権の関係を知り、他人の権利を侵害しないようにしましょう。