業務効率を向上させる最新のAIツールとして、Acrobatの「AIアシスタント」が注目されています。
AcrobatやAcrobat Readerを使用していても、AIアシスタントはまだ使用していない人が多いです。
この記事では、Acrobat AIアシスタントの特長やできること、実際の使用例を解説します。
AIアシスタントは、文書に関するあなたの業務を劇的に効率化するので、ぜひ最後までご覧ください。
Acrobat PDFのAIアシスタント機能とは?
「AIアシスタント機能」とは、Adobeが提供するPDFソフトで利用できるAIです。
この機能では、ChatGPTのように会話形式ででPDFに関する質問をすることで、AIが内容を理解し、適切な回答を返してくれます。
例えば、会議で使用する資料を読み込む時間がないときは、「この文章を要約して」と指示をするだけで、AIが要点を簡潔にまとめてくれます。
要約外にも、文章の内容に基づいてメール文の下書きを作成したり、SNS投稿のアイデアを提案したりと、さまざまな作業に対応しています。
さらに、一つのPDFだけでなく、複数のPDFファイルを同時に扱うことも可能です。
これにより、複数の文書を横断的に分析・参照できるため、タブを切り替える手間なく、効率的に情報を取得できます。

AIアシスタント機能を活用すれば、あなたの業務が効率化され、空いた時間をコア業務に使えるようになるでしょう。
Acrobat AIアシスタントの主な3つの特長
AcrobatのAIアシスタントは、文書の要約ができ、安全性に優れています。



ここでは、AcrobatのAIアシスタントの特長を解説します。
1.文書の要約ができる
AcrobatのAIアシスタントは、PDFの要約ができます。



長い文章のPDFでもワンクリックするだけで、文書の要点を分かりやすくまとめてくれます。
また、文書全体の要約だけでなく、セクションごとの要約も可能です。
全体の要約を確認して、重要な部分があればセクションの要約を読み込むなど、効率的に内容を把握できるでしょう。
2.安全に使用できる
AcrobatのAIアシスタントは、情報漏えいの可能性が低く、安全に使用できます。



その理由は、PDFの内容がAdobeの生成AIの学習データとして使用されないためです。
一般的に、多くのAIサービスでは、ユーザーが入力した情報がAIの学習に使われることがあります。
学習した内容は、他のユーザーへの回答に使用される可能性があります。
実際に、個人情報や機密情報が流出して、問題になったケースもあるため注意が必要です。



AIアシスタントは、PDFの内容を学習に使用することはないため、他のAIよりも安全性が高いといえるでしょう。
3.PDF以外のデータにも対応
Acrobatは「PDF専用」のイメージが強いかもしれませんが、AIアシスタントはPDF以外のファイル形式にも対応しています。
現在、AIアシスタントで読み込み・活用できるファイル形式は以下の通りです。
- Microsoft Word
- Microsoft Power Point
これらの形式に対応していることで、契約書や社内文書、プレゼンテーション資料など、さまざまなビジネス文書に柔軟に対応できます。



複数のファイル形式を一括で読み込んで横断的に質問したり、要約を得たりできるため、業務の効率化にもつながるでしょう。
Acrobat AIアシスタントの使い方
まずは、AcrobatでPDFファイルを開きます。
ファイルを選択するか、ドラッグ&ドロップしてPDFファイルを選んでください。
「AIアシスタント」をクリックすると、メニューが表示されるので、AIへ指示をします。
テキストを入力して会話形式で指示ができますが、何を指示したらいいか分からない人は、AIが考えた質問を選ぶことも可能です。
例えば、PDFの内容を理解するための質問は、以下のようなものがあります。



その他に、「解析」ではPDFの内容をAIが解析して、推奨されていることや仮説などについて解説してくれます。
AIに指示をしたら、回答を確認しましょう。
今回は、「この文章の内容を簡潔にまとめてください」と指示を出しました。



70ページ以上ある文書が、300文字ほどにまとめられました。
文章内の①~⑥の数字をクリックすると、文書内の引用元に移動できます。要約で気になった箇所があれば、数字をクリックして、すぐに元の文章を確認可能です。
Acrobat AIアシスタントの活用例
AcrobatのAIアシスタントは、ブログへ投稿する記事の作成や、難解な契約書の内容把握などに利用できます。
ここでは、Acrobat AIアシスタントの具体的な活用例を紹介します。
SNSやブログへの投稿を作成する
Acrobat AIアシスタントは、PDFの内容をもとに、SNSやブログへの投稿文を作成可能です。
たとえば、「令和6年度 年次経済財政報告」のPDFを読み込ませた場合、まず以下のようなプロンプトを入力します。
プロンプト
このPDFから3つの記事のアイデアを作ってください



概要と詳細という形で、AIがアイデアを3つ出してくれました。
3つのアイデアの中に気になったものがあれば、実際に投稿する内容を考えてもらいましょう。
プロンプト
「日本経済の回復と課題」について記事を作成してください
この指示だけで、そのままブログ記事として投稿しても問題ないクオリティの文章が完成しました。
情報源が内閣府の公式報告書であるため、信頼性が高く、誤情報の心配もほとんどありません。



このように、AIアシスタントを活用すれば、限られた時間の中でも、質の高い情報発信がスムーズにできるようになります。
チェックリストの作成
AcrobatのAIアシスタントは、PDFの内容からチェックリストを自動生成することができます。
ビジネスにおいて、法律を遵守して労働環境を守ることは大切です。



しかし、法律は素人が読み解くには難しく、内容を理解できないケースは多いです。
そこで、AIアシスタントにチェックリストの作成を依頼すれば、難しい内容の資料からでも分かりやすいチェックリストを作ってくれます。
たとえば、厚生労働省が公表している「労働条件・職場環境に関するルール」参考にしたい場合、以下のようなプロンプトを入力することで、重要なポイントを一覧化したチェックリストが作成されます。
プロンプト
この文章の中から、労働条件や職場環境に関するルールで守らないといけないポイントをチェックリストにしてください



労働条件に関するチェックリストが、項目別に作られました。
何を守らないといけないのか分かりやすく羅列されています。
チェックリストに表示されている数字をクリックすると、該当する部分に移動するので、詳細の確認も簡単です。



この機能はビジネスに限らず、料理の手順チェック、旅行準備リスト、引っ越しの持ち物管理など、プライベートでも幅広く活用できます。
契約書の内容把握
AcrobatのAIアシスタントを使用すれば、専門用語が多くて難解な契約書でも、短時間で簡単に内容を把握することが可能です。



ビジネスシーンでよく使われる契約書は、法律用語や専門的な表現が多く、慣れていないと理解に時間がかかるものです。
そこで役立つのが、AIアシスタントによる要約機能です。
契約書を読み込ませて、以下のように指示するだけでOKです。
ここでは、経済産業省が公開している契約書のフォーマットを使い、どのようにまとめられるか見てみましょう。
プロンプト
この契約書の内容を要約してください
難解な契約書が、簡潔に要約されました。時間がなくても、この文章量であれば、すべて読んで理解できるでしょう。



気になる部分があれば追加で質問をすることもでき、詳細の確認や補足説明もその場で受けられます。
Acrobat AIアシスタントを活用するメリット
AcrobatのAIアシスタントを活用する最大のメリットは、「時間と労力を大幅に削減できる」という点です。
これまで、文章を読み込んで文書の内容を把握していましたが、AIアシスタントが要約をすれば、半分以下の時間しかかかりません。



文書に関する作業の時間を節約できれば、長時間労働の改善にもつながるでしょう。
さらに、少子高齢化により日本では労働人口が年々減少しており、企業は人材確保に課題を抱えています。
そうした中で、限られた人材で業務をこなすには、AIの力を取り入れることがますます重要です。
たとえば、AIアシスタントを活用してプレゼン資料やWebサイトの記事を作成すれば、作業を効率化でき、人手不足の解消にも役立ちます。
AIにできる仕事はAIに任せて、より重要な業務はあなたがおこない、時間を有効活用してください。
Acrobat AIアシスタントと他の生成AIとの違い



AcrobatのAIアシスタントと、他の生成AIの違いを一覧表にしました。
ツール名 | 用途 | 機能 | 料金 | おすすめの人 |
---|---|---|---|---|
Acrobat AIアシスタント | 特定の文書の要約や分析 | ・PDFの要約 ・参照元の表示 ・チェックリストの作成 | 680円/月額 | PDFやWordなどの内容を手軽に理解したい人 |
ChatGPT | 文章に関すること全般 | ・表の作成 ・プログラミング ・テキストやコードの添削 | 基本料金無料 上位プランは20ドル~/月 | 初めて文章生成AIを使う人 |
Perplexity | 調べごとやリサーチ | ・検索範囲の指定 ・最新のデータからの回答 ・スマホで利用可能 | 基本料金無料 上位プランは20ドル/月 | リサーチをメインに使いたい人 |
Gemini | リサーチやコードの生成 | ・資料や画像をテキスト化 ・Webページの要約 ・音声をテキスト化 | 基本料金無料 上位プランは2900円/月 | 音声や画像などから情報を取得したい人 |
AcrobatのAIアシスタントが他の生成AIと大きく異なる点は、「PDFやWordといった文書に特化している」ということです。
一般的な生成AIは、これまでに学習した情報や、インターネット上の情報をもとにして回答を生成します。



そのため、情報が古かったり、文献の出典が曖昧だったりするケースもあります。
一方、AcrobatのAIアシスタントは、インターネット上の情報ではなく、あなたが表示しているPDFやWord文書の内容をもとに回答を生成します。
つまり、元の文書の内容が正確であれば、AIの回答も信頼性の高いものになります。
「広く情報を探したい」という場合は汎用的な生成AIが便利ですが、「特定の文書に基づいた正確な情報が欲しい」というときには、AcrobatのAIアシスタントが最適です。
Acrobat AIアシスタントの料金体系
AcrobatのAIアシスタントは、月額680円(税込み)で利用可能です。
ただし、この機能を使うためには、別途Acrobat製品(StandardまたはPro)の契約が必要です。
料金体系は以下の通りです。
- Acrobat Reader:無料
- Acrobat Standard:1518円/月
- Acrobat Pro:1980円/月
上記の他に、法人向けプランもあります。
法人向けプランの場合も、AIアシスタントを680円/月で利用可能です。
- Acrobat Standard(グループ版):1,848円/月(1ライセンスあたり)
- Acrobat Pro(グループ版):2,380円/月(1ライセンスあたり)
学生・教職員向けプランもあります。
学生・教職員向けプランでは、AIアシスタントを220円/月で利用可能です。
- Acrobat Pro(学生・教職員向け):1,980円/月



自分に合ったプランとAI機能の有無を見比べて、無駄のない選択をしましょう。
Acrobat AIアシスタントに関するよくある質問
ここでは、Acrobat AIアシスタントを利用する際に、よくある質問に回答します。
- Acrobat AIアシスタントは日本語に対応している?
-
Acrobat AIアシスタントは、日本語に対応しています。
AcrobatおよびAcrobat readerのデスクトップ版やWebアプリ・モバイル版アプリ・ブラウザ拡張機能に利用可能です。
日本語の他には、以下の言語に対応しています。(2025年3月現在)
- 英語
- フランス語
- ドイツ語
- イタリア語
- スペイン語
- ポルトガル語
Acrobatを提供しているAdobe社は、今後さらに対応言語を追加していく予定だと発表しています。
- Acrobat AIアシスタントが表示されない・使えない原因は?
-
Acrobat AIアシスタントを導入したのに、画面の右上に「AIアシスタント」ボタンが表示されないケースがあります。
導入直後にAIアシスタントボタンが表示されない場合は、Acrobatを再起動してください。
再起動するとAIアシスタントボタンが表示されます。
Teamsユーザーの場合は、管理者にAIアシスタントの利用申請をする必要があります。
Acrobat用AIアシスタントから「アクセス権を取得」をクリックして管理者に問い合わせてください。
出典:Adobe Acrobat「Acrobat用AIアシスタントの利用申請」 ぼーいずれの場合も、最新のAcrobatにアップデートしているかを確認するのも大切です。
- Acrobat AIアシスタントはどんなPDFでも使えますか?
-
Acrobat AIアシスタントは、基本的にどんなPDFでも使用可能です。
ただし、以下の条件に該当する場合は、正しく読み込めなかったり、エラーが発生したりすることがあります。
- 対応言語以外で制作されたPDF
- ファイルサイズが100MB以上
- パスワードで保護されている
ぼーもしも、PDFファイルを読み込めない場合は、上記の項目に当てはまっていないかチェックしてみましょう。
それでも解決しない場合は、Adobe公式のサポートページで詳細をチェックするのがおすすめです。
- Acrobat AIアシスタントのセキュリティは安全?
-
Acrobat AIアシスタントのセキュリティは高く、他の生成AIと比べると安全です。
理由としては、ユーザーが使用したPDFのデータは、AIの学習に使用されないためです。
個人情報が掲載されたPDFであっても、安心してAIに質問できます。
ぼーAIが処理に使用したデータは、使用後12時間以内に自動で削除されます。
まとめ
AcrobatのAIアシスタント機能は、PDFをはじめとする文書を要約して、効率的に内容を把握できるツールです。
ChatGPTを使用するように会話形式で質問をすると、文書の要点抽出だけでなく、チェックリストの作成や契約書の内容把握も可能です。
実際に、以下のような目的で幅広く活用されています。
- SNSやブログ投稿記事の作成
- 契約書や法律文書の要点抽出
- ビジネス用チェックリストの作成
労働人口の減少が続く日本において、AIを活用して業務の効率化を図ることは重要です。



AcrobatのAIアシスタントを活用して、あなたの業務負担を減らし、コア業務に集中してください。