画像生成AIにおける「プロンプト」は、無くてはならない最重要の要素です。
「何のプロンプトを入力すべきか」、「プロンプトをどのように入力すべきか」を理解していれば、自分の思い描く画像を効率良く作成することができます。
そこで、今回の記事では
- プロンプトとは何か?
- プロンプトを書く時のポイント
- 画像生成AIを利用するときの注意点
などについて解説します。
「画像生成AIにおけるプロンプトって何？」「プロンプトの使い方が分からない」そんな方におすすめの内容です。
画像生成AIに興味を持ちはじめた初心者の方にもわかるように、丁寧に説明しますのでぜひ参考にして下さい。
画像生成AIプロンプトとは何か
画像生成AIプロンプトとは、生成する画像の内容を指示するテキストのことで、”呪文”と呼ばれることもあります。
基本的なプロンプトの入力方法は、英単語を羅列しカンマで区切ることです。例えば、「家で読書する女の子」の画像を生成したい場合、プロンプト欄に「a girl, reading, home」のように入力します。
プロンプトがAIモデルに与える影響
プロンプトには影響を与えやすい要素と与えにくい要素があります。
例えば、人の画像を生成する場合、
・影響を与えやすい要素：人数・髪・服装・風景
・影響を与えにくい要素：目線の向き・指の向き・腰の角度
となります。
プロンプトで影響を与えにくい要素に関しては、『ControlNet』や『img2img』と呼ばれる機能を用いて指定することが一般的です。
また、使用モデル・イラストのサイズによって、プロンプトの影響が大きく変わるので注意しましょう。
プロンプトを書く時のポイント
プロンプトを書く際にはいくつかのポイントがあります。
イメージを具体的に説明する。（色、形、配置など）
まずは、生成したい画像を出来る限り具体的にイメージし、説明できるようにしましょう。
※指定するプロンプトが多すぎると、うまく画像に反映されないこともあります。
具体的にプロンプトで指定することにより、自分のイメージする画像が生成される可能性が高くなります。特に色、形、配置などを考えてからプロンプトを入力することは大切です。
以下のように、「髪色」や「髪型」を指定することで色んなタイプの人物が作成できます。
複数のプロンプトを試す。
また、複数のプロンプトを試すことも大切です。
例えば、”可愛い”を指定するプロンプトとして「cute」、「pretty」、「charming」、「lovely」など複数考えられます。これらのプロンプトをそれぞれ試してみることで、生成したい画像に適したプロンプトを見つけることができます。
【今すぐ使える】画像生成AIプロンプトの例
ここからは、様々なプロンプトについて画像を生成しながら解説します。
色と形状を指定
繰り返しになりますが、画像を生成する際、色、形、配置などを具体的にイメージすることは大切です。
例えば、「山と空の風景画」を生成したい時、”山”は高いのか低いのか、丸いのか尖っているのか、”空”は晴れているのか曇っているのか、朝なのか夜なのかを具体的にイメージしましょう。
イメージが決まったら、それに合わせてプロンプトを指定します。
例えば、「尖った山と青い空」というイメージが決まっていたら、”尖った”を表す「sharp」や”青い”を表す「blue」のプロンプトを入力します。
例：”尖った山々と青空の風景画” / “landscape phot, sharp mountains, blue sky”
「尖った山と青い空」というイメージ通りの画像を生成できました。
このように、色や形状を表すプロンプトは汎用性が高いので、色々試しに入力してみてください。
テクスチャーを指定
“モノ”の画像を生成する際には、テクスチャーに関するプロンプトが便利です。
例えば、「バック」の画像を生成したい時、”バックの素材”がナイロンなのか布なのか革なのかイメージをしましょう。もちろん、先ほどのように色や形状をイメージしても良いです。
今回は「高品質な革製のバック」を生成します。”高品質”は「high-quality」、”革製”は「leather」のプロンプトで指定します。
例：”高品質な革のショルダーバック” / “high-quality, leather, sholder bag”
「高品質な革製のバック」というイメージ通りの画像を生成できました。
バックなど”モノ”の画像を生成する際は、プロンプトの指定が少ないと様々なパターンの画像が生成されるので、まずはテクスチャーに関するプロンプトなどを指定すると良いです。
キャラクターを指定
キャラクターを指定するプロンプトは意外と便利です。なぜなら、多くのプロンプトで指定することなく、イメージ通りの画像を生成することが可能だからです。
例えば、「ガンダムのようなロボット」の画像を生成したい場合、”ガンダム”の特徴を表す数多くのプロンプトを入力しなければならないと考えがちです。
しかし、「Gundam」という1単語のプロンプトを入力するだけで、”ガンダム”の雰囲気をある程度表すことができます。実際に「Gundam, white, robot」というプロンプトで画像を生成しました。
例：”ガンダム風の白いロボット” / “Gundam, white, robot”
「ガンダム風の白いロボット」というイメージ通りの画像を生成できました。
「Gumdam」の他にもキャラクターを指定するプロンプトはあります。chichi-puiやMajinAI、Civitaiなどのイラストが投稿されているサイトには、キャラクターの画像もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
画像生成AIを利用するときの注意点
画像生成AIを利用する際には、法律や使用方法などの観点から注意が必要です。
データプライバシー
画像生成AIに関する法律は、まだまだ整備されておらず、活用方法を誤ると著作権や知的財産権を侵害する可能性があります。
例えば、既存のキャラクターや人物に酷似した画像を生成して利用していた場合、著作権を侵害しているとしてトラブルに発展する可能性があります。
また、画像生成AIで使用するモデルによっては、商用利用できないものもあります。例えば、世界的に有名な画像生成AIモデルの「ChilloutMix」は商用利用できません。
以下画像のサイトでは、「✖ Sell images they generate」と記載されています。
他にも、プロンプトについて基本的に著作権は認められておりませんが、プロンプトが長く、表現内容に工夫を加えた場合”創作的寄与”が認められ、著作物と認められる可能性もあります。
プロンプトの適切な使用方法
プロンプトには、以下のような規則があります。
・最初のプロンプトほど反映されやすい
・プロンプトを強調することができる
・トークン数を意識する必要がある
これらの項目について説明します。
1.最初のプロンプトほど反映されやすい
基本的に、最初のプロンプトほど画像に影響を与えやすいです。順番を変えるだけで優先度が変わり、絵柄が変化することもあります。
最初のプロンプトとして良く使用されるのは、品質に関するプロンプトです。「masterpiece (傑作)」、「best quality, high quality (最高品質、高品質)」、「very high resolution (超高解像度)」などがよく使用されます。
プロンプト「1girl」(左画像)と「masterpiece, 1girl」(右画像)を比較すると、右画像の方が綺麗に画像生成されています。
2.プロンプトを強調することができる
プロンプトの単語には”重み”を付けることができます。”重み”を付けたいプロンプトには括弧をつけます。「(単語)」は1.1倍、コロンを用いて「(単語:〇)」と入力すると〇倍の影響を及ぼします。
3.トークン数を意識する必要がある
トークンとは、画像生成AIにおける”文字列”のことです。
例えば、
Prompt: masterpiece, 1girl, park
というプロンプトを入力した場合、『masterpiece』『,』『1』『girl』『,』『park』の6つの6つがトークンとしてカウントされます。
英単語や数字はもちろん『,』もトークンとしてカウントされることに注意が必要です。
画像生成例「masterpiece, 1girl, park」
画像生成AIのトークン数は原則75以下にするのがおすすめです。なぜなら、75トークンをひとつの区切りとして画像生成するからです。
つまり、75トークン以上のプロンプトを入力する場合、
1回目：1～75トークン
2回目：76～150トークン
3回目：151～225トークン
という区切りで指定が行われます。
例えば「blonde hair」という単語の『blonde』が75個目のトークンだったとすると、『hair』が76個目のトークンとなり、送信するタイミングがずれるため、思うような結果が得られないことがあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事では、画像生成AIにおけるプロンプト(呪文)について具体例を用いて解説しました。
以下にまとめを記載します。
- 画像生成AIプロンプトとは、生成する画像の内容を指示するテキストのことで、”呪文”と呼ばれることもある。
- プロンプトには影響を与えやすい要素と与えにくい要素があり、影響を与えやすい要素としては、人数・髪・服装・風景などがある。
- プロンプトを書く際には、①色、形、配置などを具体的にイメージする、②複数のプロンプトを試す事が大切。
- ①色や形状、②テクスチャー、③キャラクターを指定するプロンプトは、比較的使い勝手が良い。
- 画像生成AIを使用する際の注意点として、データプライバシーとプロンプトの適切な使用方法がある。
- プロンプトの規則として、「①最初のプロンプトほど反映されやすい、②プロンプトを強調することができる、③トークン数を意識する必要がある」などがある。
画像生成AIにおいてプロンプトを学ぶことは必須です。
プロンプトを使いこなすことで、自分のイメージした画像を生成できるようになります。まずは、他ユーザーが使用しているプロンプトの書き方を参考に画像生成してみましょう。