デジタルデータ化に必須のOCR。しかしOCRとは、そもそも何なのかわからない方もいるでしょう。
本記事では、初心者向けにOCRの仕組みと活用方法を徹底的に解説していきます。
また、以下の内容も解説していきます。
- OCRを活用するメリット
- OCRのデメリットと注意点
- おすすめOCRソフト10選
この記事を読むことで、OCRの活用方法がしっかりと把握でき、あなたにぴったりのOCRソフトが見つかりますよ。

ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
OCRとは?仕組みをわかりやすく解説
OCR(Optical Character Recognition、光学文字認識)とは、PDFや画像に含まれる文字を認識し、テキストデータとして抽出する技術のことを指します。
紙のデータをそのままスキャンし、デジタル化できるので、強力なツールとして企業をはじめ注目されています。
OCRは、カメラやスキャナーで取り込まれた画像のデータを解析し、文字だけを認識することで、PDFや画像の文字が編集可能な文字に変換されます。



最近ではAI技術を取り入れたORCも増えており、手書き文字でも認識するほど精度が向上しています。
ビジネスシーンや教育現場、また翻訳の場面など、さまざまな分野で活用されています。
OCRを活用するメリット
OCRを活用することで、得られるメリットは以下の5つです。
- 業務の効率化
- コスト削減
- エラーの削減
- データの検索が可能
- 環境への配慮



1つずつ解説していきます。
1.業務の効率化
日々の事務作業やデータ管理にOCRを活用すれば、手作業でのデータ入力が不要になり、作業効率が大幅に向上します。
例えば、紙の請求書や契約書などの書類をスキャンし、OCRを活用して文字を認識して取り込めば、手で入力する作業をカットできます。



AIを導入したOCRでは、手書き文字の認識精度も高いので、より幅広い用途で活用できます。
2.コスト削減
OCRの導入は、企業や個人にとってコストの削減にもつながります。
まず、紙の書類をデータ化することで、物理的な保管スペースを削減でき、保管コストが抑えられます。
他にも、手作業によるデータ入力が必要なくなるため、人件費もコストカット可能。



紙からデータに変換することで、郵送費や印刷コストも削減できます。
3.エラーの削減
手作業の入力作業は、当然のことながらミスが出てしまうもの。業務の正確性が損なわれてしまいます。
しかしOCRを導入すれば、文字認識を自動化することでミスを大幅に軽減できます。
特に数字や専門用語の打ち間違いは、業務上のリスクにつながりかねません。



OCRを活用して、書類や文書のミスを削減しましょう。
4.データの検索が可能
手書き文字では検索性がありませんが、手書きのテキストをデータ化すれば検索が可能に。



OCRを導入すれば、テキストを簡単にデータ化して検索可能な状態にできます。
例えば、紙の書類をスキャンしてOCRを適用すれば、必要なキーワードで検索して、書類内から素早く見つけられます。
5.環境への配慮
OCRを業務に取り入れれば、大量の紙を使う必要がなくなり、環境への負担を軽減できます。
従来の企業の業務や契約などのシーンでは、多く紙の書類が必要でした。
しかし、OCRを活用すれば契約書や会議書類、請求書などのすべてをデジタル化でき、紙で印刷する必要がなくなります。



これにより、森林資源の保護にもつながり、廃棄物の削減もできます。
OCRのデメリット・注意点
次にOCRのデメリットと注意点を解説していきます。
デメリット・注意点は3つです。
- 認識精度の限界
- プライバシーやセキュリティーの問題
- 言語やフォントによる制約
1.認識制度の限界
OCRは高性能な文字認識技術ではありますが、それでも認識できる文字に限界があります。
例えば筆記体のような崩した文字や、低解像度の画像の文字などは認識できない可能性があります。
ほかにも、背景にノイズが多い画像、印刷がかすれている書類なども誤った文字として認識されてしまう可能性も。



AIを導入したOCRは、さらに文字認識精度が向上しているのですが、100%完璧に文字を認識できる保証はありません。
2.プライバシーやセキュリティーの問題
OCRを使用する際には、プライバシーやセキュリティーの問題をしっかりと管理する必要があります。
特にクラウド型のOCRを利用する場合には特に注意が必要です。
企業や個人の機密情報が、外部のサーバーに送信されるため、情報漏洩のリスクが高くなります。



企業で機密性の高い文書を扱う場合には、ローカル環境で処理できるOCRを使用するなど、セキュリティーの対策が求められるでしょう。
3.言語やフォントによる制約
OCRは対応できる言語に制約がある場合があり、すべての文字を認識できるわけではありません。
特に日本語の複雑な漢字や、旧字体、装飾フォントは正確に認識できない可能性があります。



最近では多言語対応のOCRが登場していますが、それでも言語やフォントによって誤認識してしまうリスクがあります。
フリーで使える!OCRソフトおすすめ10選
フリーで使用できるOCRのおすすめソフトを10選紹介していきます。
ソフト名 | 対応ファイル | 精度 | 有料版対応 |
---|---|---|---|
Google Drive | JPEG、PNG、GIF、PDFなど | 手書き文字の認識精度低め/画像や書類の認識は高い | × |
Microsoft OneNote | JPEG、PNG、GIF、PDFなど | 比較的高いが誤認識もあり | ◯ |
Light PDF | Word、PPT、Excel、JPG、PNG、CADなど | 精度テストで90%以上とかなり高精度 | ◯ |
Renee PDF Aide | Word、Excel、PPT、Html、JPGなど | 認識精度が低め/縦書きを読み込めない問題あり | ◯ |
AI JIMY paperbot | JPEG、PNG、TIFFなど | 認識精度や処理速度がいい/目視の確認も必要 | ◯ |
OCR Space | JPG、PNG、PDF、WEBPなど | 処理速度は速いが、認識精度が低め | ◯ |
OCR.best | JPG、PNG、PDFなど | 認識精度は高い/手書き文字認識に限界がある | ◯ |
i2OCR | JPG、PNG、BMP、TIFFなど | 全体的に認識精度は低め/誤認識が目立つ | ◯ |
NewOCR.com | JPG、GIF、PDFなど | 無料版でも高い認識精度/無料の場合容量制限がある | ◯ |
Free Online OCR | PDF、JPG、PNG、GIFなど | 全体的に精度は高いが、無料プランでの制限あり | ◯ |
Google Drive|対応言語が多く、気軽に利用ができる


出典:Google Drive
Google Driveは、対応言語が多いOCRを利用できます。
世界中で膨大なユーザーを誇るGoogleのツールなので、普段から利用している方もいるかもしれません。
手軽に利用ができる上に、一般的に活用する分には問題なく使用できます。
また、セキュリティーに関しては信頼のGoogleなので、機密性の高い文書を扱うには十分と言えるでしょう。



一方で、OCRについては有料版がないので、複雑なレイアウトや膨大なファイル数を扱うには不向きな点があります。
Microsoft OneNote|OCR以外にも多機能なシステムを搭載した便利なツール


Microsoft OneNoteは、手書きノートの機能を搭載した多機能なツールです。
タブレットなどタッチスクリーンを利用する方向けに、使いやすいシステムとして設計されており、指やスタイラスペンで非常に利用しやすいです。
OCRに関しては、日本語を含めた多言語に対応しており、比較的高い認識精度です。



手書きのメモや書類なども迅速に読み込み、素早くデータへと変換してくれます。
またMicrosoftのツールなので、セキュリティーも高く、機密文書も厳格に保護してくれます。
Light PDF|PDF編集や変換が便利なツール


出典:Light PDF
Light PDFは、PDFファイルを変換したり編集をしたりするためのOCRツールです。
Office文書との相互変換機能も大変充実しており、PDFから他の形式への変換や他形式からPDFへの変換が可能。
無料でも利用ができますが、無料版では制限がかかってしまうことがあるため、しっかりと文書の処理を行いたい方は有料版を検討してみましょう。
Light PDFはかなり高い文字の認識精度を誇っており、処理速度も迅速。



個人はもちろん、企業での利用にも十分おすすめなツールです。
Renee PDF Aide|簡単な操作性で初心者にもおすすめ


Renee PDF Aideは、わかりやすい操作システムを導入しており、誰でも簡単にOCRを利用できます。
迅速な対応速度を誇っており、文書を大量に処理しなくてはいけない場合にも短時間で処理を行なってくれます。
ビジネスシーンで文の処理や、教育現場で資料を大量に扱うことになっても、効率的に作業をすることが可能です。



OCRを扱うのが初めての方でも、スムーズにPDF処理ができる点は魅力と言えるでしょう。
AI JIMY paperbot|企業におすすめの高精度OCRツール


AI JIMY paperbotは、無料版でも利用ができますが、制限があるため、主に有料プランを検討している方におすすめです。
AI JIMY paperbotは、さまざまなフォーマットに対応しているため、いろいろな形式のファイルを扱う必要がある方には便利なツールになるでしょう。



認識精度や処理速度も早いですが、それでも目視での確認は必須です。
手書きのアンケートや申込書のデータ化なども簡単にできるので、特に企業に向いているOCRツールです。
OCR Space|APIを通じて利用ができるOCRツール


出典:OCR Space
OCR Spaceは、APIを通じてプログラムからも利用ができるOCRツールです。
多くの言語にも対応しており、処理速度も高性能。
また、クラウド上で動作をし、セキュリティー保護で、すぐさまアップロードしたファイルはデータ削除されます。



操作性もやさしく、初心者でも簡単に利用ができるのも嬉しいポイント。
有料版にも対応しているため、多くの文書を処理必要のある場合は、有料での利用を検討してみましょう。
OCR.best|ブラウザ上で利用可能な個人向けOCRツール


出典:OCR.best
OCR.bestは、ブラウザ上で利用ができる無料のOCRツールです。
さまざまなフォーマットも取り扱うことができ、PDFはもちろんPNGやJPGにも対応しています。



認識精度は高いものの、手書きの文字の読み込みが弱いデメリットがあります。
特に個人でOCRを使用したい方に向いているツールと言えるでしょう。
i2OCR|多言語対応で処理速度の速いOCR


出典:i2OCR
i2OCRは、無料で使えるOCRツールで、100以上の言語に対応。
処理速度も速く、ブラウザ上で使用したデータは迅速に削除してくれるため、セキュリティー面も安心です。



しかし日本語の認識能力が低いため注意が必要です。
画像に関しては、画像のURLを直接入力するだけでデータ化してくれる便利さがあります。
NewOCR.com|無料で使えて高精度認識能力のツール


出典:NewOCR.com
NewOCR.comは、無料で利用できる上に、かなり認識精度の高いOCRツールです。
簡単な操作性で、初心者にも優しい設計をしているのが特徴。



言語に対応しており、日本語の認識制度も優れています。
Free Online OCR|Office文書にも簡単変換できるツール


Free Online OCRは、登録なしでも利用ができる無料のOCRツールです。
PDFをWordやExcelに変換することもできます。



操作性も簡単で、認識精度もかなり高いOCRです。
しかし無料プランでは制限があるため、大量の文書を処理したい場合には有料プランに加入する必要があるので注意しましょう。
OCRの活用事例
OCRはの活用事例として、企業では請求書や領収書、契約書、アンケートなどの文書を自動読み取りし、手作業による入力時間の削減を行なっています。
データを手作業で入力すれば、時間もかかる上にミスも出てきやすくなりますが、OCRを活用することで、ミスや時間コストを大幅にカットできます。



また、図書館や新聞社などでも利用されており、膨大な資料や雑誌や書籍をデジタル化することで、検索性が向上します。
OCRに関するよくある質問
OCRに関してよくある質問をまとめました。
無料OCRと有料OCR、どちらを選ぶべき?



あなたが使う条件に応じて、OCRは無料か有料か決めるといいでしょう。
例えば、作業量がそこまでなく、軽度の書類をデータ化したいだけなら、無料版のOCRで十分です。
しかし大量の書類をデータ化する必要があったり、企業でOCRでを導入する場合には、有料のOCRを活用した方が良いでしょう。
OCRとAI-OCRの違いは?
従来のOCRは文字認識の精度に限界があります。
しかしAI-OCRの場合、AI(人工知能)を導入することによって、より一層、文字の認識精度が向上します。



特にAI-OCRの場合、手書き文字や表、非定型の書類を読み込む際の性能が通常のOCRよりも格段に上がります。
OCRの精度を向上させる方法は?
OCRの制度を向上させるためには、まず読み込む書類や画像の解像度をしっかりと上げる必要があります。
特に画像を適切な明るさとコントラストで調整することも重要。
また、使用するOCRの設定を最適化し、認識してほしい言語やフォントを正しく選択することが、より精度の向上につながります。
まとめ
OCRとは、PDFや画像に含まれる文字を認識し、テキストデータとして抽出する技術のことを指します。
現在企業や医療、教育現場など、さまざまな分野で活用されているツールです。
紙のデータを簡単にデジタル化ができるので、手作業による時間やミスなど業務の効率化できます。
印刷物を大量に出さなくてもいいので、環境の配慮や保管スペースの削減にもなり、OCRを導入する企業や個人も増えています。



しかし一方で、文字の認識に限界があったり、目視での確認をしないといけない手間があります。
紙の文書や書類のデータ化を手作業で行なっている方や、書類をデジタル化する必要がある方は、OCRの検討をおすすめします。
今回の記事を参考にして、あなたに最適なOCRソフトを見つけてください。