「DeepSeekってどんなアプリ?」「DeepSeekとOpenAIってどう違うの?」「DeepSeekの料金プランは?チャットGPTより安く使えそう?」
最近話題になっているDeepSeekですが、OpenAIとの違いや料金や性能など、気になる点が多いですよね。
また、「DeepSeekショック」というキーワードをニュースで耳にしたことがある方にとって、どういう意味を指しているのか疑問を持っていることでしょう。
本記事では、DeepseekとOpenAIの比較や「DeepSeekショック」について解説していきます。
また、以下の内容も解説していきます。
- DeepSeekの活用方法5選
- DeepSeekの料金プラン
- DeepSeekの使い方
この記事を読むことで、DeepSeekについてより詳しく理解し、導入するかどうかも決定できるでしょう。
OpenAIの性能を上回ると話題「DeepSeek」とは?
Deepseekとは、中国のAI企業DeepSeek社が開発した大規模言語モデル(LLM)です。

最新の「DeepSeek-R1」は、OpenAIの「o1」に匹敵するほどの性能を持っており、数学やコーディングなどの分野でも優れた結果を示しました。
また、約14.8兆トークンのデータで学習されており、他の大規模言語モデル(LLM)と比較しても、高い性能を誇っていることがわかります。



トークンとは、AIが処理を行う文字や単語のことを指しており、利用した量に応じて料金がかかります。
【比較】OpenAIとDeepSeekの違い
DeepSeekがOpenAIの性能を上回るのかどうか、比較を解説していきます。
強み | 料金 | 問題点 | |
---|---|---|---|
DeepSeek | 低コスト 数理推論やプログラミング能力が高い | 0.55ドル (DeepSeek−R1) 0.07ドル (DeepSeek V3) | 中国の法律が適用される 入力したデータは中国国内で保存される |
OpenAI | 多種多様な生成AIを開発 大企業に向けたサポート | 15ドル (OpenAI o1) | 料金が高額になる 情報漏洩に注意が必要 |
※料金に関しては、100万トークン入力あたりの料金で比較をしています
DeepSeekは高い性能を誇るLLMであり、OpenAIよりもはるかに安い金額で利用できる点はメリットです。
最新モデルである「DeepSeek-R1」は、前作から大幅にアップデートをされたにも関わらず、OpenAIよりもかなり安価で利用が可能。
また、低コストでありながら、数理推論やプログラミング能力にも優れている強みもあります。



しかし中国発のAIアプリということもあり、使用するには注意が必要です。問題として、中国の法律が適用されることや、入力したデータが中国国内で保存される点があります。
一方OpenAIは、DeepSeekよりは安全性は高いです。
しかし安全といえども、利用の際には情報漏洩の危険性にも注意が必要です。
また、OpenAIは多種多様な生成AIを開発しており、大企業に向けたサポートも充実しているのが魅力ですが、その分100万トークン入力あたり15ドルと、DeepSeekと比較するとかなり高額です。
DeepSeekの料金は?無料で利用可能
DeepSeekはWeb版で利用する場合には、基本的に無料で利用可能です。



しかしAPIを利用する際には、トークン数に応じて料金が発生します。
料金は基本的に100万トークンごとに設定されており、入出力のトークン数の合計に基づき課金されます。
入力トークン(キャッシュヒット) | 入力トークン(キャッシュミス) | 出力トークン | |
---|---|---|---|
DeepSeek-R1 | 0.14ドル | 0.55ドル | 2.19ドル |
DeepSeek V3 | 0.07ドル | 0.27ドル | 1.10ドル |
DeepSeekは上の一覧のとおり、OpenAIよりも破格の値段で高性能のAIを利用できます。
また、キャッシュ機能を上手に利用することで、入力コストが抑えられます。
DeepSeekの使い方
次にDeepSeekの使い方について解説していきます。
今回はブラウザでDeepSeekを使用する場合の手順を紹介していきます。


出典: DeepSeek
ログイン方法を選び、メールアドレスやパスワードを設定してください。
ログイン方法は、Googleアカウントにも紐付けが可能です。
Googleアカウントでログインしたい場合には、「Log in with Google」を選択してください。


出典: DeepSeek
Googleアカウント以外のメールアドレスでアカウント登録をする際、登録したメールアドレスに認証コードが届きます。



画像の赤枠で示した部分に認証コードを入力しないと、アカウント登録が完了しないので注意が必要です。
また、Yahoo!メールアドレスでの登録に関してですが、認証コードが届くまでに時間がかかったので参考にしてください。
DeepSeekの活用事例5選
DeepSeekの活用事例を5選紹介します。
実際に使用してみての所感もあわせて紹介していくので、DeepSeek活用の際の参考にしてください。
1.情報収集やリサーチ
仕事やプライベートなど、リサーチを行う場合にDeepSeekは強い味方になってくれるでしょう。



実際に「最近のIT業界のトレンドと動向について教えて」と聞いてみたところ、画像のような回答が返ってきました。


出典: DeepSeek
同じ質問をChatGPTにもしてみたのですが、ChatGPTの方は文字数の指定がない限り、文章が短めでコンパクトな回答になり、DeepSeekほど詳しく回答してくれませんでした。
実際に使用してみて、リサーチをする場合には、ChatGPTよりもDeepSeekの方がより詳しく調査できるのではないかと感じます。
2.プライベートでの計画をサポート
旅行やダイエット、または在宅勤務でのスケジュール管理など、プライベートにおいても何かと計画が必要です。
プライベートや仕事での計画をDeepSeekに作成してもらう活用方法もあります。



実際に「Webライターをしていますが、1日を健康的に過ごせる在宅ワークのスケジュールを作って」と入力し、1日のスケジュールを作成してもらいました。


出典: DeepSeek
今回もChatGPTと比較をしていますが、DeepSeekの方が食事メニューの提案までしてくれて、かなり丁寧な回答が返ってきました。
また、時間の区切りに関してもChatGPTよりもかなり細かい時間割でスケジュールを立ててくれています。



この他にも、旅行プランや主婦であれば家事の計画、ダイエットや筋トレメニューなどもDeepSeekに依頼してみましょう。
自分で計画やメニューを立てるよりも時短で、より正確な計画を作成してくれますよ。
3.趣味をさらに広げる
趣味をさらに広げるために、DeepSeekでさまざまなおすすめを聞いてみるのも楽しい活用方法です。



今回はDeepSeekにおすすめの本を選んでもらいました。


出典: DeepSeek
お気に入りの本を例に挙げ、似たようなおすすめ本を選出してもらいました。
ChatGPTにも同じように質問をしましたが、今回は圧倒的にDeepSeekの方が優秀でした。
ChatGPTに関しては、DeepSeekよりもおすすめしてきた本の冊数は多かったものの、架空の本のタイトル生成している可能性が高く、探しても見つからない本ばかりが挙がっていました。



個人的には、正確な情報を集めてくる能力の部分に、ChatGPTの落とし穴があるように感じます。
実在する情報からリサーチして引っ張ってくる力は、DeepSeekの方が上だと感じました。
4.アイディア出しやブレインストーミング
アイディア出しをするのにも、DeepSeekは大いに活用できます。



今回、画像の通り「サステナブルについてWebで記事を書く場合」のアイディア出しをDeepSeekに依頼してみました。


出典: DeepSeek
DeepSeekはこちらの指定なしで、15案も提示してくれたのに対し、ChatGPTは6案でした。
より詳細で多くのアイディア出しをAIにお願いしたい場合には、DeepSeekの方がおすすめです。



ChatGPTも悪くはないのですが、アイディアの個数や詳細さに関しては、こちらが指定しなければ提示してくれない不便さがある印象です。
AIアプリに詳細さや細やかさを求めたい人には、断然DeepSeekがおすすめです。
5.言語の翻訳を依頼する
言語の翻訳をDeepSeekにまかせることもおすすめの活用方法です。



今回、DeepSeekとChatGPTで、こちらが指定した文章を翻訳してもらい、文章が正しいかどうか「DeepL」という機械翻訳サービスで英文の添削をして検証してみました。
まずはDeepSeekの場合は以下の通りです。


出典: DeepSeek
DeepSeekが提案してきた翻訳文をDeepLで添削したところ、添削箇所は2箇所でした。
次にChatGPTを見ていきましょう。


出典: ChatGPT
ChatGPTが提案してきた文章での添削箇所は3箇所です。



以上の検証結果からわかるのは、より正確な翻訳文を作成できるのはDeepSeekのようです。
DeepSeekに関するよくある質問
DeepSeekについて、よくある質問集をまとめました。
DeepSeekの開発国や「DeepSeekショック」について解説しているので参考してみてください。
DeepSeekはどこの国が開発した?
AIアプリのDeepSeekは、中国の人工知能企業「DeepSeek(深度求索)」により開発されました。
ChatGPTをはじめとしたアメリカ製の大規模言語モデル(LLM)は、もともと日本円で数百億円から1,500億円もの費用が投じられました。一方、DeepSeekは8億7000千万円で開発されています。
アメリカ製LLM費用の10分の1でしかない費用でありながら、高性能の機能を誇るDeepSeek。現在、世界でかなり注目を集めています。
DeepSeekショックとは何か?
DeepSeekショックとは、2025年1月に起こった株価の暴落のことです。



具体的には以下の原因により、アメリカの半導体大手エヌビディアの株価が17%安と急落しました。
- DeepSeekが、アメリカ製の最先端の半導体エヌビディアを使わずに、ChatGPTと比肩するほどの高性能な生成AIを開発したこと
- 開発費用がアメリカ製の10分の1だったこと
上記の暴落は、日本円でおよそ90兆円の時価総額が、たった1日で吹き飛んだことになります。
もともと業界でもほとんど注目度のなかったDeepSeek(深度求索)が、これらを成し遂げたことに全世界は衝撃を受けました。
DeepSeekは日本語に対応している?
DeepSeekは、「DeepSeek活用事例5選」でも紹介したように、日本語でも十分利用ができました。
こちらの日本語での質問もしっかりと把握し、質問に対応した回答をしてくれます。
現状、日本語で問題なく使用できると言えるでしょう。
DeepSeekのアプリはある?
DeepSeekはアプリがあります。
スマートフォンの場合には、AndroidであればGoogleストア、iOSであればAppストアからそれぞれダウンロードしましょう。
またPCの場合には、ブラウザからDeepSeekを検索し、画像の赤丸で示した箇所の「Get DeepSeek App」をクリックし、ダウンロードしてください。


まとめ
DeepSeekは中国が開発した大規模言語モデル(LLM)です。
アメリカ製生成AIの10分の1の値段で開発されながらも、高度な性能を誇り、全世界で話題になりました。一時は「DeepSeekショック」と呼ばれるほど、株価に影響を与えるまでの衝撃を起こしています。
日本語版にも十分対応しており、日本国内では現在、PCからもスマートフォンからもアプリをダウンロード可能です。
情報収集、プログラミング能力、数理推論など、ChatGPTを上回る性能を持っており、仕事でもプライベートでもあらゆるシーンで大活躍できるでしょう。
利用すべきか迷っている方も、まずはブラウザ版を無料で体験して決めてみるのも選択肢の1つです。
ただし、中国に情報が保存される可能性や、中国国内の法律の適用など、注意が必要な点もあります。情報漏洩したら困る内容や個人情報は、なるべく入れない方がいいでしょう。
メリットや問題点を踏まえて、ご自身に合ったAIアプリかどうか、ぜひ検討してみてください。