Googleが新たに発表した「Veo2」は、最大4K解像度でリアルな映像を制作する革新的な動画生成AIです。
これまでの動画生成AIとは異なり、人間や動物などの微細な動きや表現を精密に再現できる点が注目されています。
本記事では、Veo2の特徴や使用方法、料金に関する最新情報をお届けします。
Google開発の動画生成AI「Veo2」とは?
Google DeepMindは、2024年12月16日(現地時間)に新たな動画生成AI「Veo2」を発表しました。
Veo2は、最大4K解像度で数分間の動画を作成でき、プロンプトに忠実な動きや表情を正確に再現することが可能です。
下記のグラフは、Metaが提供したベンチマークデータセット「MovieGenBench」をもとに、1003件のプロンプトで実施された比較テストの結果です。
上記のテストでは、Veo2が「動画のクオリティ」と「プロンプトの忠実度」において、Soraを超える優れたパフォーマンスであることを示しました。
動画生成AI「Veo2」の特長3つ
従来の動画生成AIで高い評価を受けている「Sora」を超えると注目されている「Veo2」ですが、どのような特長があるのでしょうか。
動画生成AI「Veo2」の主な特長は下記のとおりです。
- リアルで複雑な動きも再現できる
- プロンプトに忠実な動画を生成できる
- 不自然な映像が生成されにくい
1.リアルで複雑な動きも再現できる
Veo2は、物理現象や人間の動き、表情の微細なニュアンスを理解し、他の動画生成AIに比べてよりリアルな映像を作り出すことができます。
たとえば、以下のVeo2で生成された動画では、自然な動きや表情が再現されており、リアリティの高い映像となっています。
細かな表情やジェスチャー、目線といったリアルで複雑な動きが、しっかりと動画に反映されていますね!
2.プロンプトに忠実な動画を生成できる
Veo2は、プロンプト指示に忠実に従い、シーンごとに設定されたカメラアングルやレンズ、撮影技法を適切に反映します。
たとえば、Veo2によって生成された以下の動画は、次のようなプロンプト指示を元に生成されたものです。
完璧に盛り付けられた朝食のシーンの後ろでゆっくりと昇る。濃厚な黄金色のメープルシロップがふわふわのパンケーキの山の上にスローモーションで注ぎ、それぞれが柔らかく暖かい蒸気雲を放出します。カリカリのベーコンの灼熱のクローズアップは、黄金色のグリースの小さな残り火を空中に送ります。コーヒーは、クリスタルクリアなカップに滑らかで渦巻きのような動きで注ぎ、深い茶色のクレマの層で満たされます。シーンは、カットされたばかりのオレンジにカメラが急降下することで終わり、その明るくジューシーなセグメントが見事なマクロディテールで明らかにされます。
※実際には英文のプロンプトが使用されているため、表現が若干異なる場合があります。
このように、Veo2は細かなプロンプト指示にも忠実に従い、正確な再現が可能です。
3.不自然な映像が生成されにくい
他の動画生成AIでは、指の本数が不自然に多かったり、予期しない物体が現れたりする「幻覚問題」がよく発生しますが、Veo2ではその頻度が少なく、より現実的な映像が得られます。
たとえば、以下のVeo2で生成された動画では、指の本数や突如として謎の物体が現れることはなく、自然な映像が生成されています。
Veo2の登場により、「AIによって生成された動画」と「実際に撮影された動画」の違いがますます曖昧になり、その区別がつかなくなる時代が到来するかもしれませんね。
動画生成AI「Veo2」は無料?料金体系
Veo2の料金については、具体的な料金体系はまだ発表されていません(12月21日時点)。
現在、Veo2はGoogle Labs内の「VideoFX」で利用可能で、誰でも無料でアクセスできます。
ただし、利用はウェイティングリスト制となっており、Veo2を利用するには順番待ちが必要です。
「早くVeo2を試してみたい」「無料でVeo2を使ってみたい」という方は、ウェイティングリストに登録しておくことをおすすめします。
動画生成AI「Veo2」の使い方
Veo2は、2024年12月21日現在、ウェイティングリストに登録することで後日利用が可能となります。
ウェイティングリストの登録方法は、下記のとおりです。
まずVeo2の公式サイトにアクセスし、画面中央に表示されているオレンジ色の「Sign up to try on VideoFX」ボタンをクリックします。
その後、Googleアカウントでのサインインを求められる画面が表示されるので、画面下部の「Sign in with Google」をクリックします。
すると、Googleアカウントのログイン画面が表示されるので、任意のアカウントでログインします。
ログインが完了すると、再度同じ画面に戻り、中央上部に「順番待ちリストに登録する」というボタンが表示されるためクリックします。
「google Labs Early Access Waitlist」ページが表示されたら、氏名やメールアドレスなどの必要情報を入力し、最後に「送信」ボタンを押します。
以上でウェイティングリストへの登録が完了します。あとはVeo2が利用可能になるのを待つだけです。
動画生成AI「Veo2」に関するQ&A
最後に、「Veo2」に関するQ&Aについて確認していきましょう。
「Veo2」は商用利用可能?
現在(12月21日)、Veo2の商用利用に関する詳細な情報は発表されていません。
正式なリリース時に商用利用に関する情報が公開される可能性があるため、最新情報を随時確認しておくことをおすすめします。
「Veo2」は日本でいつから使える?
Veo2は2024年12月16日から一部のユーザー向けに利用が開始されましたが、日本での利用開始時期についてはまだ発表されていません。
「Veo2を早く試したい」という方は、ウェイティングリストに申し込んでおくことで、優先的に利用できる可能性があります。
将来的には、YouTube Shortsや他のGoogle製品にも導入される可能性があるため、今後の展開にも注目が必要です。
「Veo2」の読み方は?
「Veo2」の読み方は「ヴェオツー」です。
まとめ
Googleの新しい動画生成AI「Veo2」は、現実世界の動きを忠実に再現し、他の動画生成AIよりも高いパフォーマンスを発揮できると大きな話題となっています。
今後、YouTubeやAI開発プラットフォーム「Vertex AI」などでも利用される可能性があり、AI動画作成の新たなスタンダードとなることが期待されています。