さまざまな情報源から、分かりやすく情報をまとめて回答してくれる「Perplexity AI」に、新機能「Pages」が登場しました。
Perplexity Pagesは、情報のまとめと共有に特化したサービスです。しかし、実際に使用例を見ないと、具体的な使用方法をイメージするのが難しいです。
本記事では、Pagesの特長や、使用方法を画像付きで解説します。Pagesの活用方法を知れば、Perplexity AIをより使いこなせるので、ぜひ最後までご覧ください。
Perplexity AIの新機能「Pages」とは?
「Pages」とは、AI検索エンジンのPerplexity(パープレキシティ)により調査した内容を、分かりやすくまとめて公開できる機能です。記事やプレゼンテーションなどの資料作成に活用できます。
そもそも、Perlexity AIが何かというと、OpenAI社の「GPTモデル」とMicrosoftの「Bing検索」を組み合わせた対話型検索システムです。
検索エンジンから情報収集をして、GPTモデルで自然な回答を生成します。GPTモデルと検索エンジンを組み合わせて、精度の高い情報を提供してくれます。
Pagesは、このPerlexity AIの技術を使い、誰でも質の高い記事を作成可能です。
SEO(検索エンジン最適化)にも対応しているため、企業のWeb担当者も活用できます。
開発元の「Perlexity AI社」はアメリカの企業ですが、Pagesは日本語に対応しています。シンプルなユーザーインターフェースは初心者でも使いやすく、直感的に操作できるでしょう。
Perplexity Pagesの料金
Perplexity Pagesの利用条件は、Perplexityの有料プランに加入することです。
有料プランに加入すると、自動でPerplexity Pagesが利用できるようになります。Perplexityの有料プランは、以下の通りです。
- 月額:20ドル(約3,000円)
- 年額:200ドル(約30,000円)
年間プランに加入すると、月額よりも約6,000円お得にPerplexity Pagesを利用できます。
長期間利用する予定の人は、年額プランに加入するといいでしょう。
Perplexity Pagesの特長4つ
Perplexity Pagesは、分かりやすい記事を作成でき、情報源の確認も可能です。
ここでは、Perplexity Pagesの便利な特長4つを紹介します。
1.分かりやすい記事を作成できる
Perplexity Pagesの最大の特徴は、誰が見ても分かりやすい記事を作成できる点です。
記事の生成は、キーワードや内容をテキストで伝えるだけです。入力された内容を元に、AIがインターネット上から情報をまとめてくれます。
単に文章を生成するだけでなく、見出しや目次も自動生成され、関連する画像も添付されます。
上記から、見やすい構成となっていて、視覚的にも読者を飽きさせない記事になるでしょう。
以下は、「東京オリンピック2020の卓球についてまとめて」と簡単なプロンプトで生成した記事です。
記事の内容は修正することができ、セクションを加えてAIによる追記も可能です。
編集をしなくても公開できるレベルのクオリティですが、情報を加えたり文章のテイストを調整したりすれば、普段書いている文章に近づけられます。
2.情報のソースを確認できる
文章生成AIを使う際に、もっとも注意する必要があるのは、誤情報の流布や盗作です。
損害賠償や記事の差し留めなど、訴訟に繋がる可能性があるため、公開前に細かくチェックする必要があります。
Perplexity Pagesは、生成された文章の情報源を確認できます。信頼できる情報源か、一次情報かを確認すれば、誤情報を記事にする可能性を抑えられるでしょう。
3.簡単に共有できる
作成した記事は、「公開ボタン」をクリックするだけで共有できます。共有方法は、以下の4種類です。
- X(旧Twitter)
- リンクのコピー
- ワッツアップ
共有機能を活用すれば、社内チームや友達などとスムーズに情報交換できます。
会議の前に情報を共有すれば、参加者が前提知識を持った状態で話し合いが可能です。
また、旅行先での食事を調べる際に、Perplexity Pagesで飲食店についてまとめて、旅行仲間と共有すればお店の決定に役立ちます。
4.ターゲットとなる読者を選択できる
Perplexity Pagesは、ターゲットとなる読者を選択して、内容を変えられます。
初心者には簡単な内容を、専門家には専門的な内容を提示することで、より興味を持ってもらえるでしょう。
選べる読者は、以下の3パターンです。
- 全員:より多くの人に理解できるようにまとめる
- 初心者:知識のない人でも読みやすいように簡単にまとめる
- 専門家:専門用語を使用して高度な情報を伝える
「海の深さについて説明してください」と入力して記事を生成したところ、海洋深度測定技術の記事が完成しました。
専門用語や数式などが頻出して、知識のある人でないと理解が難しい内容です。
Perplexity Pagesの使い方
ここでは、Perplexity Pagesの使い方を、画像を交えて解説します。
Perplexity Pagesは、Perplexityの機能の一つなので、まずはPerplexityにアクセスします。
Perplexityにアクセスしたら、「Googleアカウント」や「Appleアカウント」でサインインしてください。
Perplexity自体は無料でも利用できますが、Perplexity Pagesは有料版の「Perplexity Pro」のみで利用可能です。
右下に有料版への加入ボタンがあるので、月額20ドルを支払い加入してください。
有料プランに加入したら、右側のメニューから「ライブラリ」をクリックします。
ライブラリをクリックすると、「ページ」ボタンが表示されます。
プロンプト入力欄に、生成したい記事の内容を入力して、エンターを押すと記事が生成されます。
わずか数秒で記事が完成します。
修正が必要であれば、各項目に表示されている「編集」をクリックします。
記事を公開するには、左上の「公開」をクリックします。公開すると、Perplexity上で記事が表示されます。同時に、URLを取得できるようになります。
公開されると同時に、どのように共有するか表示されます。利用環境に適した共有方法を選んでください。
Perplexity Pagesを使ってみた
ここでは、実際にPerplexity Pagesを利用して記事を生成していきます。
読者を「全員」で生成
ターゲットとなる読者を「全員」にすると、誰にでも理解できるように全般的な内容が記事になります。
今回は、「歴代総理大臣についてまとめて」と入力して記事を生成しました。
見出しは、「在任期間の長さランキング」と「総理大臣の年齢と就任時期の関係」となりました。総理大臣に関する知識を得られるので、読者のためになる記事といえるでしょう。
ただし、これだけでは少し物足りないため、「歴代総理大臣を初代から現在まで教えて」と入力してセクションを追加しました。
初代からの総理大臣の名前と、主な出来事が追加されました。情報量が多く、より読者が満足する記事になりました。
読者を「初心者」で生成
ターゲットとなる読者を「初心者」に設定すると、前提知識のない人でも分かりやすい記事が生成されます。今回は、少し専門的な知識である「アルツハイマー型認知症」について記事を生成しました。
生成された見出しは、以下の3つです。
- アルツハイマー型認知症の進行段階
- アルツハイマー型認知症と生活習慣の関係
- アルツハイマー型認知症の早期発見と治療法
アルツハイマー型認知症について、初心者が知りたい内容が網羅されています。知識のない人でも、この記事を読めばアルツハイマー型認知症の概要を掴めるでしょう。
ただし、文章はところどころに不自然な箇所があります。
そのまま公開するとAIが作成したと分かるため、作成者による手直しが必要です。それほど時間のかかる修正ではないので、記事自体は品質が高いといえます。
読者を「専門家」で生成
ターゲットとなる読者を「専門家」に設定すると、専門用語や数式などを使い、より深い情報を届けられます。
今回は、物価が上昇することを指す「インフレーション」について記事を生成しました。
数式を使いながらインフレーションについて解説しているため、初心者では理解が難しい内容になっています。
しかし、専門家レベルではなく、経済に少し詳しい人向けの内容です。
より具体的に質問をすれば、専門家レベルの内容になるでしょう。
Perplexity Pagesに関するよくある質問
Perplexity Pagesは、リリースされて間もないサービスのため、利用中に疑問点が出てきます。ここでは、Perplexity Pagesに関するよくある質問に回答します。
Perplexity Pagesは無料で使える?
Perplexity Pagesは、現状では無料で使えません。Perplexityの有料版「Perplexity Pro」に加入することで、サービスが開放されます。
Perplexity Proの料金は、以下の通りです。
- 月額:20ドル(約3,000円)
- 年額:200ドル(約30,000円)
月額プランよりも、年額プランの方が約40ドルお得になります。長期間利用する予定であれば、年額プランがおすすめです。
ただし、Perplexity公式Xでは、無料版でもPagesを使えるようにするとアナウンスされています。
時期は未定ですが、すぐに使う必要がない場合は、無料版で解放されるのを待ってもいいでしょう。
Perplexity Pagesは日本語で使える?
Perplexity Pagesは、日本語に対応しています。
ただし、もともとは英語を中心として開発されているため、日本語の回答が不自然になることがあります。専門的な内容や長文の回答は、日本語に不自然な部分がないかチェックしてから公開しましょう。
Perplexity Pagesは日本語以外にも、以下の言語に対応しています。
- 英語
- 中国語
- 韓国語
- フランス語
- ドイツ語
- スペイン語 など
ThreadとPagesの違いは?
Threadは個人的に知りたい情報をチャット形式で質問して、AIから回答をもらうサービスです。公開や共有を目的としていないため、プライベートな空間で質問できます。
また、追加質問をすると一貫性のある回答を得られます。深掘りして情報を知りたいときにおすすめです。
Pagesは情報を公開・共有することを目的にして、記事を作成するサービスです。画像の挿入や編集機能など読者が理解しやすい構成になっています。
ThereadとPagesはそれぞれに特長があるため、状況に応じて使い分けましょう。
以下の表は、Threadで「ThereadとPagesの違いはなに?」と質問した際に作成された比較表です。
特徴 | Thread | Pages |
---|---|---|
用途 | プライベートな検索と対話の履歴保存 | 情報の統合と共有、コンテンツ作成 |
対話履歴 | 含まれる | 含まれない |
カスタマイズ性 | なし | 高い |
共有 | プライベート | リンクを通じて共有可能 |
ビジュアル要素 | 含まれない | 含まれる |
Perplexity Pagesの安全性は?
Pagesで作成した記事を公開設定にすると、リンクを通じて誰でもアクセスできます。個人情報や外部流出させたくない情報が載っている場合は、取扱いに注意が必要です。
また、生成した記事が、著作権に違反していないかのチェックも必要です。
2024年6月にアメリカの経済誌である「Forbes」が、Perplexity社に著作権を侵害されたとの内容の書簡を送りました。この書簡に対して、Perplexity社のCEOが、「多くのフィードバックにより、サービスは改善されている」と声明を出しました。
改善されたといっても、まだまだ粗削りな面のあるPerplexity Pagesを利用する際は、他者のコンテンツを侵害していないか入念にチェックしてください。
まとめ
Perplexity Pagesは、複数の情報源から得た情報を、読者に分かりやすいようにまとめて記事を作成するサービスです。
情報のソースを確認できるため、誤情報が混ざっていないか確認しやすいことが特長です。また、メールやFacebook・Xなど複数の方法で、簡単に共有できます。
Perplexity Pagesは高品質な記事を作成できますが、日本語が不自然な箇所が出てきます。長文や専門的な内容の記事を生成する場合は、文法や誤字などをチェックしましょう。
Perplexity Pagesで作成した記事は、公開設定になっていると誰でも閲覧可能です。個人情報や機密情報が含まれている場合は、外部に情報が漏れないように注意してください。