2023年3月、今や多くの人々に認知されたChatGPTに、新たなモデルである「GPT-4」が搭載されました。
GPT-4も日々進化している中で、なんと既にGPT-5の性能やリリース時期を気に掛ける声が出始めています。
Web上では様々な憶測や噂が飛び交っていますが、OpenAIからは正式に詳細やリリース時期は発表されておらず、GPT-5に関して未だ確たる情報は存在していません。
そこで、本記事ではGPT-5に搭載される機能やリリース時期について考察を深めていきます。ぜひ、最後までご覧ください。
GPT-5のリリース時期はいつ？
人工知能開発の最前線に位置するOpenAI社は、次世代言語モデルである「GPT-5」の開発を進めていますが、GPT-5は一体いつリリースされるのでしょうか。
あいちゃん結論、GPT-5のリリース時期は2024年夏頃～2025年初頭の可能性が高いと考えています。
以下に、GPT-5のリリース時期を推測するための情報を時系列順に列挙していきます。
最新情報のみを知りたい方は、後半部分をご覧ください。
2023/4/13：GPT-5の開発は未着手
2023年4月13日に、OpenAI社 CEOであるサム・アルトマンが、マサチューセッツ工科大学（MIT）のカンファレンスにリモート参加しました。
あいちゃんその際に「OpenAI社がGPT-5をトレーニングしていることはなく、今後もしばらくするつもりはない」と発言しています。
発言した意図として、先ずはGPT-4において、人々の理解や倫理、プライバシー保護などの課題に対処するためと考えられます。
2023/6/7：GPT-5の開発は未着手のまま
2023年6月7日に、サム・アルトマンはインドの日刊英字経済紙「エコノミック・タイムズ（The Economic Times）」主催のイベントに登壇し、以下のように述べています。
- 「GPT-5 の前にやるべきことはたくさんある。それには多くの時間を要するし、まだ近づいてさえいない。」
- 「まだまだ多くの安全監査が必要」
2023年4月時点と同様の発言が見られており、当時から2023年内のGPT-5のリリースは難しいと判断されていました。
2023/7/18：GPT-5の商標登録を出願
2023年7月18日に、「GPT-5」の商標登録をアメリカ特許商標庁（USPTO）に出願していたことが、USPTOのデータベースから判明しました。
申請内容は、広範な領域にわたる権利の保護を目的としており、以下のような分野が含まれます。
- 言語モデルを使用するためのダウンロード可能なコンピュータープログラム及びソフトウェア
- 人間の音声及びテキストを人工的に生成するためのダウンロード可能なコンピュータープログラム及びダウンロード可能なソフトウェア
- 自然言語処理・生成・理解・分析のためのダウンロード可能なコンピュータープログラム及びダウンロード可能なソフトウェア
提出書類によると、GPT-5の機能には「自然言語処理、生成、理解、分析」などの可能性も示唆されており、音声認識ソフトウェア、テキスト生成、人工ニューラルネットワークの開発と実装も含まれるようです。
あいちゃん商標登録を出願している一方で、この時点ではOpenAI社からのGPT-5に関する具体的な声明は出ていませんでした。
2023/11/12：GPT-5を開発中であることが判明
2023年11月12日に、サム・アルトマンは「Financial Times」の記事で、次世代のAIモデル「GPT-5」を開発中であることを明言しました。
記事の中では、GPT-5について「インターネット上で公開されているデータセットと、企業が独自に保有するデータを組み合わせて使用することになるだろう」と述べられていました。
2024/1/15：GPT-5の進化と未来について
2024年1月15日に、サム・アルトマンは、ダボス会議にてGPT-5の進化と未来のAIに関して語りました。
GPT-2からGPT-3、GPT-4へと進化する中で、モデルの能力は顕著に向上してきました。そのため、GPT-5はこれまでのモデルを上回り、より多くのことを可能にするだろうと述べています。
あいちゃんまた、AIの技術が急速に進化し、今年中に実現可能な事や、未だ解決されていない課題についても触れました。
今後、AIはさらにスマートになり、複雑な問題をより正確に処理できるようになると説明しています。
2024/2/12：GPT-5の可能性と期待について
2024年2月12日に、サム・アルトマンは「World Government Summit（世界政府サミット）2024」にて、GPT-5の可能性に言及しました。
GPT-5の開発について詳細は明かさず、能力やリリースの時期について具体的には語られなかったものの、大規模言語モデルの進化によって、人間の知性を拡張し、創造力や解決策の発見に革命をもたらす可能性があることを述べました。
また、AIの進化は教育の分野においても大きな変革を促すと述べ、個別指導やパーソナライズされた医療アドバイスの提供によって、より良い未来が実現可能であるとの見解も示しています。
2024/3/21：今夏発表へ向けてGPT-5を準備中
2024年3月21日に発表されたBusiness Insiderの独自取材によって、GPT-5の発表を2024年夏頃に計画していることが明らかになりました。
関係者の情報によれば、既に一部の企業顧客に対して、最新モデルとそのChatGPT機能強化のデモを提供しているそうです。
あいちゃんデモは、GPT-4からの顕著な性能向上を示しており、特にテキスト生成能力の進化が強調されています。
そのため、より自然で人間に近い対話が可能になり、AI技術の応用範囲を大幅に拡大すると考えられています。
これらの情報から、GPT-5のリリース時期は早くて2024年夏、遅くとも2025年初頭になるのではないでしょうか。
これまでのGPTシリーズ
OpenAIが開発した大規模言語モデルシリーズであるGPT1～GPT-4のリリース時期やスペック（パラメータ数や学習データ量）を以下の表にまとめました。（表中には推定値も含まれています。）
| モデル名 | リリース時期 | パラメータ数 | 学習データ量 |
| GPT-1 | 2018年6月 | 1.15億 | 4.5GB |
| GPT-2 | 2019年2月 | 15億 | 40GB |
| GPT-3 | 2020年6月 | 1750億 | 570GB |
| GPT-3.5 | 2022年11月 | 3500億 | 1.5TB |
| GPT-4 | 2023年3月 | 1.5兆 | 40TB |
- パラメータ数：モデルが学習中に最適化する変数の数
多いほど複雑な関数を学習できるが、計算リソースも増加する - 学習データ量：モデルの学習に使用されるテキストデータの量
データ量が多いほど、より高度な表現学習が可能になる
表を見ると、新たなモデルが登場する毎に大きくスペックが上がっている事がわかります。
また、だいたい1年に1回のペースで新たなモデルがリリースされていることから、GPT-5は2024年中にリリースされることが推測できます。
GPT-5の登場でAIはどうなる？
AIの進化は、私たちの想像を超える速度で進行しています。
あいちゃん中でも、GPTシリーズの進化は驚異的です。次世代のAIモデルGPT-5は、さらなる飛躍が期待されています。
今回は、GPT-5に期待される以下の能力について解説します。
- 拡張されたマルチモーダルな理解
- インタラクティブなマルチメディアの作成
- 一般的な知性を持つロボットの動力源
- 自律的なAIモデルの開発
- 潜在的な将来の結果予測
- 様々な分野の変革
- パーソナライズされた仮想アシスタント機能
拡張されたマルチモーダルな理解
GPT-5は、テキストと画像だけでなく、音楽や映像なども理解・処理できると期待されています。これにより、様々なメディア形式でより正確な「文字起こし」「翻訳」「要約」などができるようになります。
インタラクティブなマルチメディアの作成
GPT-5は、テキストの説明や画像のコンセプトに基づいて、ビデオゲーム・映画・3D環境を作成することが期待されています。これにより、パーソナライズされた没入型の体験が可能になります。
一般的な知性を持つロボットの動力源
GPT-5によって、ロボットが一般的な知性を持って動作できる可能性があります。たとえば、家庭用ロボットが個人の好みや利用可能な食材を踏まえて、完全な食事を調理できるようになるといった感じです。
自律的なAIモデルの開発
GPT-5は、日々学習することで、新たな命令（プロンプト）や仕事（タスク）を実行するための独自の人工知能モデルを生成できることが期待されています。また、複数のAIモデルを組み合わせて、より大きな知性を生み出すことも可能になるかもしれません。
潜在的な将来の結果予測
GPT-5は、グローバルな課題の解決策をテスト・シミュレーションするために、完全な仮想世界を作成できることが期待されています。様々なモダリティからより多くのデータポイントを接続することで、GPT-5は潜在的な将来の結果をより正確に予測できるかもしれません。
様々な分野の変革
GPT-5は、医療・科学研究・ビジネス・人間の職場を変革すると言われています。医学では、膨大な量の医療データを分析してパターンを特定し、パーソナライズされた治療計画を開発できると推測されています。また科学研究では、粒子加速器からのデータを使用して新しい粒子を発見し、宇宙の理解が深まると推測されています。
パーソナライズされた仮想アシスタント機能
GPT-5を搭載した仮想アシスタントは、私たちの生活のあらゆる側面にシームレスに統合できると期待されています。具体的には車・電話・パソコン・家電などのデバイスにアクセスして同期し、個人の好み・習慣・目標を学習して適応できると推測されています。
あいちゃん詳しくGPT-5について知りたい方は、以下の動画を参考にしてください。
GPT-5の課題と展望
GPT-5は大きな可能性を秘めている一方で、以下の課題も存在します。
- 悪用への懸念：高度なAIは、悪意のある人間によって犯罪行為に利用される可能性がある。
- 倫理的な問題：AIが人種や文化によって、異なる回答を行い、差別的な対応をとる可能性がある。
今後の展望として、課題を克服するために開発者だけでなく社会全体で議論を深め、適切な対策を講じていくことが重要です。
まとめ
それでは、本記事をまとめます。
- 「GPT-5」は、2024年夏～2025年初頭にリリースされると予想。
- GPT-5が登場することで、自律的なAIモデルの開発やパーソナライズ化がより一層進むと考えられる。
- GPT-5の悪用と倫理的問題について、今後社会全体で議論を深める必要がある。
GPT-5は、AI技術を大きく進化させ、様々な分野に革新をもたらす可能性を秘めたモデルです。
リリース時期は確実ではありませんが、近い将来私たちの生活に大きな影響を与える存在となるでしょう。