「ChatGPTのサービスを自社のツールとして活用したい」そう思ったことはありませんか?
そんな時にぜひ活用したいのが「ChatGPT API」です。
今回は、ChatGPT APIの概要や使い方、活用事例までご紹介します。
本記事を読むとChatGPT APIの具体的な操作方法の理解・実践まで繋げることができるため、ぜひ最後までご覧ください。
「ChatGPT API」とは?
ChatGPT APIとは、ChatGPTを他のアプリケーションやサービスに組み込むためのツールです。
APIとは、ソフトウェア間で情報交換やデータ通信をする際に用いるインターフェース「Application Programming Interface」の略語です。
ChatGPT APIは、アプリケーションをAPIに接続しプロンプト(ChatGPTへの指示)を送ることで、プロンプトに基づいた出力をアプリケーションに送り返すことができます。
ChatGPT APIの料金体系
ChatGPTのAPIの利用料金は公式ページに載っています。
2024年2月現在の状況を簡単にまとめたものが、以下の表です。
モデル | 入力 | 出力 |
GPT-3.5 Turbo-0125 | 0.0005$/1,000トークン | 0.0015$/1,000トークン |
GPT-3.5 Turbo-instruct | 0.0015$/1,000トークン | 0.002$/1,000トークン |
GPT-4(8K版) | 0.03$/1,000トークン | 0.06$/1,000トークン |
GPT-4(32K版) | 0.06$/1,000トークン | 0.12$/1,000トークン |
GPT-4 Turbo | 0.01$/1,000トークン | 0.03$/1,000トークン |
トークンとは、テキストを分割する最小単位のことです。
英語の場合、1単語≒1トークンで、カンマなどの記号も1トークンとしてカウントされます。
日本語の場合、1文字≒2〜3トークンで、ひらがなより漢字のほうがトークン数が多くなる傾向にあります。
どのモデルがいいかわからない方は、とりあえず『GPT-3.5 Turbo-〇〇〇〇』を選択しましょう。
(モデルの詳細については、コチラで確認)
ChatGPT APIを無料で使う方法
新規でOpenAIアカウントを開設すると、5ドル分のクレジットが付与されます。
仮に「GPT-4 Turbo」を使用したとすると、25万トークン分(10万文字程度)の入力・出力が可能です。
ChatGPT APIでできること
ChatGPT APIでは、ChatGPTができるほぼすべての機能を利用することができます。
たとえば、以下の機能を他のサービスやアプリに組み込むことが可能です。
- テキストの生成
- 情報検索
- カスタマイズ
それぞれについて解説します。
1.テキストの生成
ChatGPT APIを使うと、与えられたプロンプトに基づいてテキストを生成できます。
たとえば、“メール文章の作成”や“記事の要約”などを自動で行うことができるようになります。
2.情報検索
一般的な検索エンジンを利用した場合、情報を収集するのに一定の時間がかかりますが、
ChatGPT APIを使うと、あらゆる情報を瞬時に検索することができます。
ただし、インターネット上にない情報や学習していない情報を検索することはできないので注意しましょう。
3.カスタマイズ
ChatGPT APIを使うと、ChatGPTの機能をアプリケーションに合わせて独自にカスタマイズできます。
これにより、“業界や社内特有の専門用語やフレーズを理解して返答する”といった調整が可能となります。
ChatGPT APIの注意点
ChatGPT APIは非常に便利ですが、使用する際にはいくつかの注意が必要です。
1.個人情報の漏洩
ChatGPT APIを使用する際に気をつけるべきことのひとつは、個人情報の漏洩です。
ChatGPTを開発したOpenAIは、APIを利用すれば入力された情報を学習に使用することはないとしています。
しかし、ユーザーが個人情報を入力した場合、個人情報が外部に漏れる可能性がゼロとは言いきれないので注意しましょう。
対策としては、会社全体でマニュアルを作成したり、セミナーを開催したりして、社内全体に個人情報を入力しない意識を浸透させることが考えられます。
2.不正確な情報出力
ChatGPT APIが出力する回答は、常に正確であるとは限りません。
誤った情報でも、あたかも事実かのように出力されることがあります。
対策としては、ChatGPT APIの回答が本当に正しいのか確認・検証することが考えられます。
場合によっては専門家の意見を聞くことも有効です。
3.膨大なトークンの消費
ChatGPT APIの利用料金は、使用したトークン数に依存します。
気づいたら膨大なトークンを消費し、非常に高額な料金を請求されることが無いよう注意しましょう。
対策としては、①messsagesパラメータに含める回答数を制限する、②日本語を英語に翻訳して利用することが挙げられます。
messagesパラメータに含める回答数を制限する
ChatGPT APIで文脈に沿った回答を得るためには、“過去にやり取りした投稿”と“ChatGPTの応答文”を、APIのmessagesパラメータにセットする必要があります。
最初の応答は1つの投稿文のみですが、2回目の応答では「1回目の投稿文」「1回目の応答文」「2回目の投稿文」という3つのメッセージを、messagesパラメータにセットしてリクエストする必要があります。
そのため、やり取りの回数が増えると、合計トークン数も増加するため、料金も高くなります。
そこで、messagesパラメータに含める回答数を制限し、トークンが大量に使われることを未然に防ぐ方法がおすすめです。
messagesパラメータの回数の目安としては、過去3回分あれば、ある程度文脈に沿ったやり取りは可能とされます。
ただ、場合によっては回数を確保しないとタスクを完了できないこともあるので、確認しながら調節しましょう。
日本語を英語に翻訳して利用する
英語は1単語≒1トークンであるのに対し、日本語は1文字≒2〜3トークンなので、文章を打っていると小さな差が積もり積もって大きな金額の差を生みます。
そこで、日本語ではなく英語に翻訳してから、ChatGPT APIを利用する方法がおすすめです。
日本語を英語に翻訳してからAPIリクエストを送り、英語の応答を日本語に翻訳することで、トークン量は削減できます。翻訳の手間はかかりますが、オンライン上の自動翻訳ツールなどを活用すれば簡単に英訳、和訳が可能です。
ChatGPT APIの使い方
ChatGPT APIの利用手順は以下の通りです。
1.OpenAIのアカウント取得
2.APIキーの取得
3.PythonでAPIを利用 (Google Colab)
OpenAIの公式サイトから“Get started”をクリック。
アカウント作成画面に移動するので、メールアドレスや電話番号など必要情報を入力しましょう。
(既にアカウントがある方はログインしましょう。)
OpenAIアカウントにログインしたら、画面左側の“API keys”タグを選択し、“Create new secret key”をクリック。
名称を決めるとAPIキーが発行されるので、保存しましょう。
(APIキーは一度だけしか表示されないので、忘れないよう注意が必要です。)
最後に、PythonでChatGPT AIを呼び出す一例をご紹介します。
今回は、Google ColabのPython環境で利用します。
Google Colabを開いたら、以下の手順でコードを入力してみましょう。
①「openai」のインストール
!pip install openai
OpenAIのモデルをPythonで利用する為のライブラリ「openai」をインストールします。
②APIキーの入力
import os
import getpass
os.environ["OPENAI_API_KEY"] = getpass.getpass('OpenAI API Key:')
テキストボックスからAPIキーが入力できるようにしていますので、
STEP2で保存したAPIキーをペーストしてEnterを押してください。
③API経由でGPT(テキスト処理)を動かすコードを入力
from openai import OpenAI
client = OpenAI()
#プロンプトを入れる。改行は「\nとクオーテーション」or「普通の改行と三重クオーテーション」にて。
prompt = "プロンプト"
response = client.chat.completions.create(
model = "モデル名",
messages = [
{"role": "system", "content": "You are a helpful assistant."},
{"role": "user", "content": prompt}
],
temperature=0
)
# 応答の表示
text = response.choices[0]
print(text)
プロンプトとモデル名を入力すると回答が返ってきます。
やり方がわからない方は、試しに以下のように入力し、回答を確認してみてください。
プロンプト=#命令\n以下の文章が表す動物を教えてください。\n#文章\n代表的なペットとして飼われており、体が非常に柔軟であるため、狭い場所や高い場所にも容易に登ることができます。\n#分類\n\n#理由\n
モデル名=“gpt-3.5-turbo-0125”(モデルの名称はコチラで確認)
ChatGPT APIの活用事例3選
では最後に、ChatGPT APIの活用事例を確認していきましょう。
1.ChatGPT×LINE(AIチャットくん)
AIチャットくんは、ChatGPTの機能をLINEで使えるサービスです。
AIチャットくんは、LINEで質問を入力するだけで回答が返ってくるので、非常に手軽に利用できます。
リリース3日で累計ユーザー数が20万人になるほど人気があります。
2.ChatGPT×Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、ChatGPTとの連携が可能です。
ChatGPTと連携することで、ChatGPTの回答を直接シート上に表示・保存することができます。
利用するには、“アドオン”から適切なアプリをインストールする必要があります。(拡張機能の“Apps Script”を選択し、適切なコードを記載しても良いです。)
3.ChatGPT×Google ドキュメント
Googleドキュメントも、ChatGPTとの連携が可能です。
ChatGPTと連携することで、記事の作成や文章の出力がとても簡単になります。
利用するには、Googleスプレッドシートの時と同様に“アドオン”から適切なアプリをインストールする必要があります。(拡張機能の“Apps Script”を選択し、適切なコードを記載しても良いです。)
まとめ
それでは、本記事の内容を以下にまとめます。
- 「ChatGPT API」とは、ChatGPTを他のアプリケーションやサービスに組み込むためのツールのこと。
- ChatGPT APIを利用すると、テキストの生成、情報検索、カスタマイズなどの機能が使える。
- ChatGPT APIを活用した既存のサービスも多く存在する。
ChatGPT APIを利用することで、自社のツールやサービスをより便利にすることが可能です。
ぜひ試してみてください。