Anymate Anyoneは、世界中から注目を集めている、最新の動画生成AIです。YouTubeやX(旧Twitter)などSNSで話題となっているため、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Animate Anyoneでできる3つのことや、具体的な活用事例6選を紹介します。
Animate Anyoneを使えば、見た人が驚くような動画を作成可能です。情報をいち早く取り入れて、ビジネスや趣味など幅広い分野で運用してください。
Animate Anyoneとは?
Animate Anyoneとは、世界的なテック企業である「中国のアリババグループ」の研究者が発表した、AIが動画を作り出す技術です。
動画生成AIの一つですが、0から動画を生み出すのではなく、画像内の人物やキャラクターを動かせるAIです。
Animate Anyoneで動かす人物やキャラクターは、髪の毛や洋服が動きに合わせて揺れるのが特徴だよ。
また、影も動作に合わせて動くため、違和感のない動画になります。フレーム間のチラつきも少なく、高クオリティな動画を生成できることが特徴です。
Animate Anyoneはいつから使える?
Animate Anyoneは2023年11月に研究論文が発表されましたが、まだ公開はされていません。
公開日も発表されていないため、いつから使えるようになるか不明です。
ただ、Animate Anyoneの発表後にデモやソースコードについて問い合わせが殺到したため、開発チームは急ピッチで公開に向けて準備をしています。
公開に向けた準備をしていても、研究開発の段階から一般の人が広く使える状態にするには、多くの作業が必要です。コードの見直しや、快適に使用するためのドキュメント作成・テストなどを経て公開されます。
Animate Anyoneについて動きがあれば、公式サイトで情報が公開されます。気になる方は小まめにチェックしてみてください。
Animate Anyoneでできる3つのこと
Animate Anyoneは、人物やキャラクターを高いクオリティで動かせます。
ここでは、Animate Anyoneでできる3つのことを紹介します。
1.人物やキャラクターを動かせる
Animate Anyoneの最大の特徴は、人物やキャラクターの画像を自由に動かせることです。非常に自然な動きの動画を生成できるため、X(旧Twitter)で急速に拡散され、日本でも大きな話題になりました。
次の動画は、Animate Anyoneを利用してキャラクターを動かしています。
とても自然な動きで、もともとアニメーションとして作られたと錯覚するほどです。
イラストだけでなく、3D画像や写真の人物を動かすことも可能です。
Animate Anyoneは、アニメ風からリアルな画像まで幅広い画像を動かせます。お気に入りのキャラクターや、人物を動かして楽しめるでしょう。
2.高クオリティな動画の生成
Animate Anyoneで生成する動画は、「高いクオリティがある」と評判です。
一般的に、画像から動画を生成する際は、画面のカクつきやチラつきが発生してしまいます。
しかし、Animate Anyoneが生成する動画は、フレーム毎の動きがスムーズで違和感がありません。
画像から動画を生成できるAIは数多くありますが、「アリババが持つ最新技術」を詰め込んだAnimate Anyoneは、トップレベルのクオリティといえるでしょう。
3.動きを自由に設定できる
Animate Anyoneでは、歩く・踊るなどの動きをユーザーが自由に設定できます。
「ポーズガイダー」と呼ばれる機能が搭載されていて、棒人間に動きを加えることで、思いのままに操作できるためです。
ポーズガイダーの設定は、慣れるまで苦労するかもしれません。
しかし、設定が難しい分、「高い自由度」があります。作りこみが好きな人に向いているでしょう。
ポーズガイダーには、人物やキャラクターの動きを制御する役割があります。そのため、ポーズガイダーを上手に動かせれば、画像の中の人物も自然な動きをします。
Animate Anyoneの仕組みを簡単解説
Animate Anyoneは、動画の生成に「Stable Diffusion」が用いられています。
Stable Diffusionは、高精度な画像を生成できる拡散モデルです。
学習済みのStable Diffusionを活用することにより、人物やキャラクターの特徴を捉えて、自然な動きを実現しています。
また、Animate Anyoneは、以下の3つの重要な技術が用いられています。
- Reference Net:参照される画像から人物やキャラクターの特徴を読み取る
- Pose Guider:骨格動画で人物やキャラクターの動きを制御する
- Temporal Layer:フレーム間の時間的関係を捉えて、滑らかな動きを実現する
上記の重要な3つの技術により、Animate Anyoneは自然でクオリティの高い動画を生成可能です。Animate Anyoneの全体像は、以下の図にまとまっています。
Animate Anyoneを用いた活用事例6選
Animate Anyoneを使うと、教育動画やファッション紹介動画がより魅力的になります。
ここでは、Animate Anyoneを用いた活用事例6選を紹介します。
1.「踊ってみた」動画の作成
Animate Anyoneを使えば、「踊ってみた動画」を簡単に作成可能です。
実際に踊ることなく、ダンスをしている動画を生成できるのは凄いよね!
Animate Anyoneで簡単に踊ってみた動画を作成するには、まずいろいろな場所であなたの写真を撮影します。その後、自宅に戻りAnimate Anyoneを活用して、写真の中のあなたを踊らせるだけです。
通常、踊ってみた動画を撮影するには、撮り直しなどを含めると短い動画でも数時間かかります。
Animate Anyoneは同じ画像から何パターンもの動画を生成できるため、毎日多くのダンスをアップロードできるでしょう。
また、あなたのダンスだけでなく、さまざまなキャラクターや有名人を踊らせることも可能です。
ただし、自分以外の人物やキャラクターを使用する場合は、著作権や肖像権に注意してください。無断で使用すると、動画の差し留めや損害賠償を請求される可能性があります。
2.教育動画の作成
企業で研修に使用する動画や、高校や大学などの教育用動画では、ナレーターに依頼して内容を読み上げることが一般的です。
しかし、プロのナレーターに依頼するには、費用と収録の手間がかかります。
音声読み上げソフトとAnimate Anyoneを使えば、音声と動画を生成可能です。
ナレーターに依頼するのと異なり、収録の手間がかからず費用も抑えられるでしょう。
AIの急速な普及に伴い、教育分野でも積極的に活用しようとして文部科学省が以下のガイドラインを発表しています。
- 初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン
- 大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて
発展途上にある生成AIを教育に活用することには、否定的な意見もあり、慎重な対応が求められます。しかし、生成AIの有用性は多くの人が認めるところであり、教育分野でも少しずつ浸透していくでしょう。
3.AIタレントとして活躍
近年では、「タレントがAI化」して大きな話題をになっています。AIタレントとは、生成AIが作り出した、実在しないタレントのことです。
飲料メーカーの「伊藤園」や、野村証券を傘下に持つ「野村ホールディングス」などの大手企業がCMにAIタレントを起用しているよ。
画像生成AIで作成したキャラクターをAnimate Anyoneで動かせば、あなたオリジナルのAIタレントを作り出せます。また、VTuberとしての活躍も目指せるでしょう。
企業がCMやイメージキャラクターにAIタレントを採用するのは、以下のようなメリットがあるためです。
- スキャンダルや不祥事がない
- 複数の言語に対応できる
- 人間のタレントよりもコストがかからない
今後、動画生成AIの性能がより向上すれば、AIタレントが一般的になる可能性が高まります。AIタレントを上手に演出できる能力があれば、将来的に企業からの依頼を受けて収入を得られるでしょう。
4.ファッション紹介動画の作成
Animate Anyoneは、「ファッション分野」での活躍も期待されています。
画像合成サービスと組み合わせて、あなたの画像に好きな洋服を組み合わせれば、パソコン上で試着できるためです。
単なる静止画よりも、Animate Anyoneで動きをつければ、着用したときのイメージをより強くできるでしょう。
以下の動画は、合成した画像を実際にAnimate Anyoneで動かしたものです。
この方法であれば、世界中の洋服を試着可能です。また、憧れのハイブランドの洋服も着用できます。
感度の高いアパレルメーカーは近い将来、販売促進のために自社のWebサイトで、Animate Anyoneを使った試着サービスを始めるのではないでしょうか。
5.二次創作コンテンツの作成
Animate Anyoneでアニメのキャラクターを動かせば、二次創作コンテンツを作成できます。
有名キャラクターを使いオリジナルストーリーを創作すれば、ファンの興味を惹くコンテンツになるでしょう。
留意点として、二次創作は基本的に著作権法に抵触します。
ただし、公式で認められていたり、黙認されていたりするケースがあります。
Animate Anyoneで生成した動画を公開する前に、公式サイトで二次創作が認められているか確認してください。
6.故人の写真を動かす
Animate Anyoneでは、亡くなってしまった人でも写真があれば動画を生成可能です。
結婚式や親戚が集まる祝いの席などで、亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんの動画を流せば、サプライズになるでしょう。
アメリカでは、結婚式の司会にChatGPTを採用したケースがあるよ。
将来は、重要なセレモニーで、AIが頻繁に活用される時代になるかもしれません。
Animate Anyoneの使い方は?
Animate Anyoneは研究段階であり、まだ公開されていない状態のため、使い方は発表されていません。
しかし、ソフトウェア開発プラットホームであるGithubに掲載された文章から推測すると、最初はAnimate Anyoneのソースコードが公開されると思われます。その後、ソースコードから一般の人でも使用できるサービスが作成され、誰でも使えるようになるでしょう。
誰にでも使えるようになった場合、以下のように動画を生成すると推測できます。
- 参照される画像を選択する
- ReferenceNetが自動で画像の特徴を読み取る
- ポーズガイダーで動きを指示する
- フレームを生成して動画にする
ポーズガイダーで動きを指示するのが難しく感じるかもしれませんが、おそらく見本が用意され、選択するだけで動かせるでしょう。
現在は、論文が発表された段階で、ソースコードは公開されていません。
ソースコードが公開されれば、世界中の開発者が使いやすいサービスを作ってくれるはずです。
まとめ
Animate Anyoneは、中国のアリババグループの研究者が発表した動画生成AIです。
ゼロから動画を作成するわけではなく、画像の中の人物やキャラクターを動かせる技術です。あなた自身やアニメキャラクター・故人など、さまざまな人物を動かせます。
また、チラつきの少ない「高クオリティな動画」を生成でき、髪の毛や服装の動きまで繊細に表現できるでしょう。
Animate Anyoneは、教育動画やファッション紹介動画・踊ってみた動画などでの活用が予想されます。
また、AIタレントを作ったり、故人の写真を動かしたり、発想豊かな使い方が可能です。
Animate Anyoneは、まだソースコードが公開されていません。いつ公開されるかも不明なため、一般の人が自由に使えるようになるには時間がかかるでしょう。
少しでも早くAnimate Anyoneを使いたい人は、小まめに公式サイトをチェックしてみてください。